結論 — 「1枚だけ」は作れるが、単価では必ず損をする
DTF(Direct to Film)やインクジェット(DTG)の普及で、版を作らずに1枚だけプリントすること自体は技術的に可能になりました。ただし「作れる」ことと「得になる」ことは別です。オリジナルウェアの費用は枚数で薄まる固定費と枚数に比例する変動費でできており、1枚では固定費がまったく薄まりません。
preTTy のご注文は10枚からです。1枚だけをお探しの方には対応できませんが、「なぜ1枚だと割高なのか」「10枚にどう載せるか」を知っておくと、どの選択肢を取るにせよ判断を誤りません。この記事はその整理です。
費用のどこが「枚数で薄まる」のか
少量制作の見積もりは、次の3層に分解できます。
- ウェア代(変動費):枚数に比例。まとめるほど1枚あたりは下がります。preTTy の最安クラス白地は10枚時1枚824円、30枚時719円です。
- プリント代(変動費):位置とサイズで決まります。胸ワンポイントは598円/枚、A4以内の前面・背面は898円/枚。印刷方法は「普通色(単色のみ)」なら追加0円、フルカラーは+330円/ヶ所、DTFは淡色+880円/濃色+1,100円/ヶ所です。
- 送料(固定費):都道府県別の実額で、1回の発送につきかかります。ここが1枚制作の弱点です。10枚で割れば1枚あたり100円前後の負担が、1枚なら丸ごと1枚に乗ります。
つまり1枚制作の割高感は「業者が少量に冷たいから」ではなく、送料という固定費が薄まらない構造から来ています。業者によっては、データの調整や確認の費用が枚数にかかわらず別にかかる場合もあり、その場合も少量ほど1枚あたりが重くなります。
送料は1枚あたりにいくら乗るか — 届け先4区分×枚数
preTTyの送料は、Tシャツの枚数で箱の大きさが決まり(10〜20枚は100サイズ、21〜40枚は120サイズの箱1つ)、箱の大きさと届け先の都道府県で金額が決まります。自動見積もりの送料表では、47都道府県が4つの金額帯に分かれます。それぞれ、送料を枚数で割った「1枚あたりの送料」を出すと次のとおりです(税込。2026年9月26日に見積もりエンジンで計算)。
| 届け先 | 10枚(100サイズ) | 20枚(100サイズ) | 30枚(120サイズ) |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 920円(1枚92円) | 920円(1枚46円) | 1,120円(1枚37.3円) |
| 茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・神奈川・山梨・岐阜・静岡・愛知・三重・滋賀・京都・大阪・奈良 | 1,020円(1枚102円) | 1,020円(1枚51円) | 1,220円(1枚40.7円) |
| 新潟・富山・石川・福井・長野・兵庫・和歌山・岡山・広島・徳島・香川・愛媛・福岡・佐賀 | 1,120円(1枚112円) | 1,120円(1枚56円) | 1,320円(1枚44円) |
| 北海道・東北6県・鳥取・島根・山口・高知・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄 | 1,220円(1枚122円) | 1,220円(1枚61円) | 1,420円(1枚47.3円) |
10枚と20枚は同じ100サイズの箱に入るので、送料の総額は変わらず、1枚あたりはちょうど半分になります。仮に1枚だけを送るとすれば、この送料表では最も小さい80サイズの箱(720〜1,020円)が、そのまま1枚に乗る計算です。都道府県ごとの一覧は送料早見表にまとめています。
preTTy の10枚実額 — 何にいくら払うのか
最小ロット10枚を、印刷方法「普通色(単色のみ)」・胸ワンポイント1ヶ所で発注した場合の1枚あたりは1,422円〜(プリント込み・税込・送料別)です。内訳は白地824円+プリント598円。枚数を増やすと白地側が下がり、30枚では1枚1,317円(719円+598円)になります。
デザインを大きくしたい場合は、前面または背面A4以内で898円/枚。写真やグラデーションを使うならフルカラー(+330円/ヶ所)やDTF(淡色+880円/ヶ所)を選ぶことになり、その分単価は上がります。10枚・胸ワンポイントの総額を試算すると、送料まで含めた支払額がその場で出ます。
「1枚欲しい」を10枚に載せる4つの現実解
ご相談で多いのは、実は「厳密に1枚だけ必要」ではなく「余らせたくない」というケースです。次のどれかに当てはまるなら、10枚は無理のない数字になります。
- サイズ違いで散らす:同じデザインでS〜XLを混ぜても1回の注文にまとめられます。体格差のあるチームや家族なら10枚はすぐ埋まります。
- 予備を織り込む:配布物は紛失・汚損・追加参加が起きます。本番8枚+予備2枚という積み方は、あとから10枚単位で追加発注するより安く済みます。
- 複数人で相乗りする:同じデザインを使う仲間と1回の注文にまとめれば、送料も1回分で済みます。集金の段取りは グループ注文の集金と支払い にまとめました。
- 用途を分ける:本人用・配布用・記録用(写真撮影やSNS用)と使い道を分けると、10枚は「多すぎる数」ではなくなります。
逆に、本当に世界に1枚だけでよく、単価も気にしないという用途(一点物のギフトなど)であれば、1枚から受ける業者を選ぶほうが目的に合います。無理に10枚にする必要はありません。
少量で業者を選ぶときの5つの確認点
- 1. 最小注文枚数と割増の有無:「1枚OK」と書いてあっても、少量割増が別途かかる料金体系があります。総額で確認してください。
- 2. 送料の扱い:「送料無料」をうたう場合、その原資は単価に含まれているのが普通です。単価だけでなく支払総額で比べます。preTTy は都道府県別の実額制で、送料無料の設定はありません。
- 3. 印刷方法と料金の対応:少量では版を使わない方式(DTF・フルカラー)が選ばれがちですが、単色でよいなら普通色のほうが安く済みます。方式は価格ではなく表現要件で選ぶのが正解です。
- 4. 納期の条件:preTTy の標準納期は5〜7営業日、お急ぎは特急仕上げ(+500円/枚)で3〜4営業日です。例外は刺繍ワンポイントで、プリント方法のページでは標準7〜10営業日・特急は不可としています。
- 5. データの受け渡し:入稿形式と修正の扱いは事前に確認を。作り方は デザインデータの入稿ガイド にまとめています。
よくある質問
preTTy は1枚だけの注文を受けていますか?
いいえ。preTTy のご注文は10枚からです。10枚を「普通色(単色のみ)」・胸ワンポイント1ヶ所で作った場合、1枚あたり1,422円〜(プリント込み・税込・送料別)になります。1枚だけが必要な場合は、1枚から受ける業者をお選びいただくほうが目的に合います。
10枚と30枚では、1枚あたりどれくらい変わりますか?
同じ構成(最安クラス白地・普通色1色・胸ワンポイント)で、10枚は1枚1,422円、30枚は1枚1,317円です。差額は1枚あたり105円で、枚数割引は率ではなく1枚あたりの定額で効きます。実際の金額は 枚数を変えて試算 するのが確実です。
少量だと品質が落ちることはありますか?
枚数によって印刷の工程や仕上げを変えることはありません。10枚でも1,000枚でも同じ条件で製作します。仕上がりに関わるのは枚数ではなく、デザインデータの解像度・色指定・ウェアの生地色との組み合わせです。
まず少量で試してから追加したいのですが
10枚単位での追加発注は可能です。ただし単価はその注文の枚数で決まるため、10枚→10枚と2回に分けるより、最初から20枚でまとめたほうが1枚あたりは安く、送料も1回分で済みます。最安クラス白地・普通色1色・胸ワンポイントで比べると、東京都あてでは10枚×2回が30,280円、20枚×1回が27,360円で、差は2,920円です(20枚にすると1枚あたり100円下がるぶんの2,000円と、1回分の送料920円)。北海道あてなら送料が1,220円なので、差は3,220円になります。試作の要否も含めて迷う場合は、枚数と用途をお知らせいただければ判断材料を整理します。
まとめ — 枚数を決めてから業者を選ぶ
「1枚だけ作れるか」から入ると選択肢が狭まりますが、「何人に、いつまでに、どんな見た目で渡したいか」から決めると、必要枚数は自然に定まります。枚数が決まれば総額は機械的に出せます。preTTy で10枚以上を検討される場合は、枚数・印刷方法・お届け先を入れて総額を確認してください。デザインが固まっていない段階なら テンプレート集 から組み立てることもできます。