「10枚くらいなら、アイロンプリントで自作したほうが安いのでは?」——業者に頼む前に、一度は浮かぶ疑問です。同じTシャツ・同じ図柄で、自作の材料費と preTTy の見積もり実額を10・20・30・50枚で並べました。自作側はメーカー公式サイトの価格(2026年9月26日取得)、preTTy 側は自動見積もりと同じ計算エンジンで出した税込・東京都宛の送料込みの金額です。
先に結論:白Tに写真なら自作、濃色Tに1色なら注文が安い
- 白T×写真やイラスト(前面A4):10〜50枚のどの枚数でも、材料費は自作のほうが1着あたり518〜884円安い。
- 濃色T×写真やイラスト(前面A4):こちらも自作が1着あたり584〜950円安い。
- 濃色T×白文字など1色(前面A4):10枚の時点で preTTy が1着あたり150円安く、50枚では差が516円に開く。
- 白T×胸ワンポイント1色:10枚では自作が1着あたり374円安いが、枚数が増えるほど差が縮み、50枚では31円(総額で1,560円)。
判定を分けているのは2点です。今回の用紙では濃色の生地用が白生地用の4倍の値段であること(1枚あたり792円と198円)、そして preTTy の「普通色(単色のみ)」はボディの色に関係なく追加料金が0円であることです。
比べた条件:ボディ・図柄・送料をそろえる
ボディは United Athle の 5.6oz コットンTシャツ(5001-01・綿100%・天竺編み)に統一しました。preTTy の見積もりで選べる 5.6oz コットンTシャツ(5001-01) と同じ型番を、自作でも買う想定です。自作の材料は次のとおりです。
| 材料 | 公式の価格(税込) | 単価 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 5001-01 ホワイト S〜XL | 1,386円(参考上代1,260円・税抜) | 1着1,386円 | United Athle 公式 |
| 5001-01 カラー S〜XL | 1,496円(参考上代1,360円・税抜) | 1着1,496円 | United Athle 公式 |
| エレコム EJP-WPN3(白生地用・A4・10枚) | 1,980円 | 1枚198円 | エレコム直販 |
| エレコム EJP-WPN2(白生地用・A4・5枚) | 1,080円 | 1枚216円 | エレコム直販 |
| エレコム EJP-WPN1(白生地用・A4・3枚) | 780円 | 1枚260円 | エレコム直販 |
| サンワサプライ JP-TPRCLN-10(カラー布用・A4・10シート) | 7,920円(標準価格) | 1枚792円 | サンワサプライ公式 |
- 図柄は4通りです。①白ボディの前面A4に写真やイラスト(preTTy は「フルカラー」)、②濃色ボディの前面A4に写真やイラスト(preTTy は濃色向けの「DTF・ガーメント(濃色)」)、③濃色ボディの前面A4に白文字など1色(preTTy は「普通色(単色のみ)」)、④白ボディの胸に縦横10cm以内の1色(preTTy は「普通色」の胸ワンポイント)。
- 自作は1着にA4用紙1枚を使います。④だけは10cm角の図柄がA4(210×297mm)に2列×2段で4つ並ぶので、用紙1枚で4着分とし、必要な枚数を満たすいちばん安い箱の組み合わせで計算しました。
- 自作の金額はボディと用紙の代金だけです。インク代・材料の送料・失敗した分は入れていません(理由は後述)。
10〜50枚の1着あたり支払額
自作は材料費、preTTy は送料込みの総額を枚数で割った金額です(1円未満は四捨五入)。
| 図柄とボディ | 自作(材料費) | preTTy 10枚 | 20枚 | 30枚 | 50枚 |
|---|---|---|---|---|---|
| ① 白T・前面A4・写真 | 1,584円 | 2,468円 | 2,322円 | 2,213円 | 2,102円 |
| ② 濃色T・前面A4・写真 | 2,288円 | 3,238円 | 3,092円 | 2,983円 | 2,872円 |
| ③ 濃色T・前面A4・1色 | 2,288円 | 2,138円 | 1,992円 | 1,883円 | 1,772円 |
| ④ 白T・胸10cm・1色 | 1,440〜1,464円 | 1,838円 | 1,692円 | 1,583円 | 1,472円 |
preTTy の1着あたりは、白地1,248円にプリント代(前面A4は898円、胸ワンポイントは598円)と印刷方法の加算(フルカラー330円・DTF濃色1,100円・普通色0円)を足し、枚数に応じた定額の値引き(10枚100円・20枚200円・30枚300円・50枚400円)を引いた額です。①の10枚なら2,376円×10枚=23,760円に送料920円を足して24,680円、1着あたり2,468円になります。東京都宛の送料は10〜20枚が100サイズ1箱で920円、30枚が1,120円、50枚が1,320円です。
自作の列は公式価格のままなので枚数で動きません。④だけは用紙1枚で4着分を刷るため、箱の組み合わせで1着あたりの用紙代が54〜78円の間で変わります(10枚はEJP-WPN1を1箱、50枚はEJP-WPN3とEJP-WPN1を1箱ずつ)。
損益分岐は「ボディをいくらで買えるか」で決まる
自作の材料費の大半はボディ代です。そこで、preTTy の1着あたり(送料込み)から用紙代を引いて「ボディがいくらまでなら自作が安いか」を出しました。ボディをこれより安く買えれば、自作の材料費が下回ります。
| 図柄とボディ | 10枚 | 20枚 | 30枚 | 50枚 | 5001-01の参考上代(税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| ① 白T・前面A4・写真 | 2,270円 | 2,124円 | 2,015円 | 1,904円 | 1,386円 |
| ② 濃色T・前面A4・写真 | 2,446円 | 2,300円 | 2,191円 | 2,080円 | 1,496円 |
| ③ 濃色T・前面A4・1色 | 1,346円 | 1,200円 | 1,091円 | 980円 | 1,496円 |
| ④ 白T・胸10cm・1色 | 1,760円 | 1,638円 | 1,521円 | 1,417円 | 1,386円 |
①②は参考上代のボディでも上限まで500円以上の余裕があります。③は逆で、カラーのボディを10枚なら1,346円、50枚なら980円より安く買えない限り注文のほうが安くなります。④は50枚で上限と参考上代の差が31円しかなく、ボディの買値しだいでどちらにも転びます。参考上代はメーカーが示す目安で、実際の販売価格は店によって違うため、手に入る価格で見比べてください。
表に入れていない自作のコスト
- インク代:機種・印刷面積・インクの種類で変わり1つの数字にできないため、計上していません。表の自作の金額は、その分だけ実際より低く出ています。
- プリンタとインクの相性:家庭用インクジェットプリンタが前提で、用紙ごとに使えるインクが違います。サンワサプライの白布用 JP-TPRTYN は「顔料系インクには対応しません」、カラー布用 JP-TPRCLN は「顔料系インクにも対応します」と案内しています。エレコム EJP-WPN3 は染料・顔料どちらも使えますが、顔料は EPSON PX-G インクのみです。
- 印刷の向き:サンワサプライはアイロン転写紙の案内ページで、白布用は反転印刷、カラー布用は正像印刷としています。用紙を替えるときは説明書の指定を確かめてください。
- 刷り損じ・貼り損じ:失敗した分は用紙とボディの買い足しになります。起きやすさは人と道具で違うため数字にしていません。
- 材料の送料:エレコムの直販は、商品代金が2,200円(税込)に届かないと送料550円(税込)がかかります。10着分の用紙1箱(1,980円)だけを直販で買うと、この送料が加わります。
- 作業時間:印刷からアイロンでの圧着までを1着ずつ行うので、作業は着数に比例して増えます。
「洗濯に強い」用紙を選ぶと差は縮まる
耐久性をうたう用紙は単価が上がります。サンワサプライの白布用 JP-TPRTYN-10(A4・10シート・標準価格5,830円)は1枚あたり583円で、製品ページには「100回の洗濯後も、色落ち・変色・ひび割れ・はがれがほとんどない」とあります。カラー布用の JP-TPRCLN は「50回洗濯してもキレイが長持ちします」という表記です。JP-TPRTYN-10で①を計算し直すと自作は1着1,969円になり、preTTy との差は10枚で499円、50枚で133円まで縮みます。
一方、preTTy のプリントの洗濯耐久は、100回洗濯の測定をまだ行っていません(検証の設計は 100回洗濯耐久テストの検証方法 にまとめています)。同じ物差しの数字がないため、この記事では耐久性の優劣をつけていません。
自作が向いている場合・注文が向いている場合
自作が合理的なのは、次のような場合です。
- 必要なのが1〜9枚。preTTy のご注文は10枚からなので、この枚数は自作か、1枚から受ける他社になります(少量で頼む場合の単価の仕組みは 「1枚だけ作りたい」をどう着地させるか)。
- 白いTシャツに写真やイラストを載せる(上の①)。どの枚数でも材料費は自作が下回ります。
- 一度きりの着用で、手持ちのプリンタのインクが用紙に合っている。
注文が合理的なのは、次のような場合です。
- 濃色のTシャツに白文字やロゴを1色で入れる(上の③)。10枚の時点で注文のほうが安くなります。
- 30枚・50枚と数が多い。注文は枚数が増えるほど1着あたりが下がり、自作は下がらずに作業だけが増えます。
- 用紙に合うインクジェットプリンタが手元に無い。プリンタを買うところからなら、その代金が自作の材料費に上乗せされます。
よくある質問
LINEクーポンを使うと判定は変わりますか?
LINE友だち追加クーポン(500円・お一人様1回限り)は本体価格から500円引かれるので、10枚なら1着あたり50円下がります。それでも①②④の10枚は自作の材料費が下回り、判定は変わりません。
東京都以外に届けると結果は変わりますか?
送料は都道府県別で、送料無料はありません。10枚(100サイズ1箱)の送料は東京都宛の920円がいちばん低く、北海道・東北・沖縄など17道県は1,220円です。1着あたりの差は30円で、表の判定は入れ替わりません(県別の金額は 47都道府県×枚数別の送料実額表)。
自分の条件で比べるなら、自動見積もりにボディ・枚数・印刷方法・お届け先を入れると送料込みの総額が出ます。枚数で割って自作の材料費と並べれば、あなたの場合の損益分岐がわかります。注文した場合の納期は、注文確定から標準5〜7営業日、特急仕上げ(+500円/枚)で3〜4営業日です。