スタート地点は21,120円 — 何も触らずに出る「最初のレシート」
preTTyの自動見積もりを開くと、何も入力しないうちから金額が表示されています。初期条件は「10枚・4.4oz ドライメッシュTシャツ(00300-ACT)・普通色(単色)・胸ワンポイント+背面ワンポイント・東京都宛」。この合計が21,120円(税込・送料込み)です。
この記事は、その21,120円をレシートのように1行ずつ分解します。根拠にするのは推測や概算表ではなく、見積もり画面そのものを動かしている計算エンジンの仕様です。どの行がどのルールで増減するのかが分かれば、画面を開く前に自分の条件の総額をほぼ言い当てられるようになります。操作手順そのものは姉妹記事「自動見積もりの使い方」に譲り、ここでは金額の中身だけを扱います。
| 行 | 内容 | 金額 |
|---|---|---|
| 白地 | 4.4oz ドライメッシュTシャツ(00300-ACT) | 924円 |
| プリントサイズ | 胸ワンポイント 598円+背面ワンポイント 598円 | 1,196円 |
| 印刷方法 | 普通色(単色) | +0円 |
| 割引前の1枚 | 上記3行の合計 | 2,120円 |
| 数量値引き | 10〜19枚の段:1枚につき−100円 | → 2,020円 |
| 小計 | 2,020円 × 10枚 | 20,200円 |
| 送料 | 東京都・100サイズ×1箱 | 920円 |
| 合計 | (うち消費税1,920円は総額からの逆算) | 21,120円 |
読み方のコツは2つあります。まず「1枚あたりの金額」を完成させてから枚数を掛けること。そして送料は枚数比例ではなく、最後に箱単位で足されること。この順序を頭に入れると、次の7つの変数がそのまま読めるようになります。
総額を動かす7つの変数 — エンジンの計算順に
変数1:白地(ボディ)の価格
計算はウェア本体の白地価格から始まります。初期選択の00300-ACTは924円(プリント代別)。主要商品の名前は「生地の厚さ(oz)+タイプ+型番」の並びで統一されているので、名前を見れば何にプリントするのかを特定できます。白地を厚手のTシャツやパーカーに替えると、まずこの行が差し替わります。計算の順序は変わりませんが、白地の価格帯は変数4の値引き上限を、ウェアの厚みは変数7の箱の枚数区分を動かします(詳細はそれぞれの節で)。
変数2:プリントサイズ — 位置ごとに598〜1,598円
プリント位置は「胸ワンポイント」「前面(A4以内)」のようなプリセットから選びますが、料金の実体は位置ごとのサイズ料金の合算です。12プリセットぶんの加算額は プリント位置別の料金表 に一覧化しています。
- ワンポイント:598円/A4以内:898円/A3以内:1,198円/A3超:1,598円(いずれも1箇所につき)
初期レシートの1,196円は「胸ワンポイント598円+背面ワンポイント598円」の2箇所分。これを「前面+背面(どちらもA4以内)」に替えると898円×2=1,796円になり、割引前の1枚が600円動きます。箇所数を増やすことが総額に一番効くのは、この変数が枚数全部に掛かるためです。
変数3:印刷方法の追加料金 — 1箇所につき0〜1,100円
| 印刷方法 | 追加料金(1箇所につき) |
|---|---|
| 普通色(単色) | +0円 |
| 金銀ラメ(小粒) | +220円 |
| ラメ(大粒) | +330円 |
| フルカラー | +330円 |
| DTF・フィルム転写(淡色) | +880円 |
| DTF・フィルム転写(濃色) | +1,100円 |
| 刺繍ワンポイント | +780円 |
単色デザインなら追加0円のまま完結します。写真やグラデーションを使うならフルカラー以降の行が乗る——つまり「デザインの色構成」がこの変数を決めます。
変数4:数量値引き — %ではなく「1枚につき定額」の10段階
枚数を増やしたときの値引きは定率(○%OFF)ではありません。1枚あたりの定額値引きが10段階で深くなる方式です。
| 枚数の段 | 1枚あたりの値引き |
|---|---|
| 10〜19枚 | −100円 |
| 20〜29枚 | −200円 |
| 30〜39枚 | −300円 |
| 40〜49枚 | −350円 |
| 50〜99枚 | −400円 |
| 100〜199枚 | −410円 |
| 200〜299枚 | −470円 |
| 300〜499枚 | −520円 |
| 500〜999枚 | −560円 |
| 1,000枚〜 | −600円(ここで打ち止め) |
ただし値引きには白地の価格帯ごとの上限があります。白地1,000円未満の商品は30〜199枚の段で205円に頭打ちされ、200枚以上の大口の段でも上限は235〜300円までしか緩みません(白地1,048円クラスなら表の値引きがそのまま効きます)。初期選択の00300-ACTがまさにこれで、30枚にしても値引きは−300円ではなく−205円。これが後述の30枚レシートで半端な数字が出てくる理由です。
この上限のせいで、面白い逆転が起きます。胸ワンポイント1箇所の条件で比べると、10枚では白地924円の00300-ACTが1,422円で、白地1,048円の4.1ozドライアスレチックTシャツ(5900-01)の1,546円より安い。ところが40枚では1,317円対1,296円で立場が入れ替わり、1,000枚では1,222円対1,046円と差が開きます。自分の枚数がどの段に落ちるか、白地を替えて単価を見比べると、この逆転はその場で確認できます。「一番安い白地=一番安い総額」が大口では成り立たない——仕様を知らないと気づけない挙動です。
変数5:大きいサイズの追加料金
XXLは+100円、4Lは+150円、5Lは+200円が該当する枚数分だけ加算されます。全体に掛かるのではなく「その1枚」にだけ乗る方式なので、10枚のうちXXLが2枚なら+200円で合計21,320円。サイズ内訳を先に集めておくと、この行のブレをゼロにできます。5L対応の商品リストと混在発注の計算方法は 大きいサイズの記事 にあります。
変数6:特急仕上げ — +500円×全枚数
標準納期は5〜7営業日。特急仕上げにすると3〜4営業日になり、1枚あたり+500円が全枚数に掛かります。30枚なら+15,000円。特急代は数量値引きの対象外で、後述のクーポンの割引対象にも入りません。「特急にするか、標準で間に合う日程に前倒しするか」は総額を大きく分ける判断です。
変数7:送料 — 都道府県×箱サイズの実額
送料は宅急便の実額で、届け先の都道府県と箱のサイズで決まります。Tシャツなら10〜20枚は100サイズ1箱、21〜40枚は120サイズ1箱に収まります。10枚(100サイズ)の場合で東京都920円、大阪府1,020円、北海道・沖縄県1,220円。どの県でも同じという料金設定ではなく、無料になる条件もありません。47都道府県すべての実額は 送料早見表 に箱サイズ別で並べています。枚数の段を上げると箱も大きくなるため、送料は枚数と一緒に少しずつ動きます。
レシートに無い行 — 「版代」という費目は存在しない
プリント業界の見積もりでよく登場する「版代」「製版代」の行は、preTTyの計算エンジンのどこにも存在しません。初回も2回目以降も、色数が増えても、版に関する費目が加算されることはありません。版代という費目の業界相場と「版代無料」をうたう見積もりの読み方は 版代の記事 で扱っています。
ここで注意したいのは、「版代が無い=総額が安い」ではないことです。たとえば版が要らないことを売りにするDTF転写は、その代わり変数3の追加料金が大きい。30枚・胸ワンポイント1箇所・東京都宛の総額で比べると、普通色(単色)40,630円に対しDTF(淡色)は67,030円。1枚あたりでは1,317円対2,197円で、差の880円は変数3の追加料金がそのまま乗った金額です。初期費用の有無と総額の安さは別の話として、必ず総額で比べてください。
クーポンが引かれるのは「本体」だけ — 適用の正確な仕様
使えるクーポンは2種類だけです。LINE友だち追加クーポン500円(新規のお客様・お一人様1回)と、ご紹介者割引1,000円(本体3万円以上のご注文が対象)。学割・早割・リピーター割といった制度は存在しません。
重要なのは適用範囲です。割引が引かれるのは「本体」——つまり商品+プリント+サイズ追加までの金額で、特急代と送料は割引の外側にあります。紹介者割引の「3万円以上」の判定も、この本体金額に対して行われます。次の30枚の例では本体が57,450円なので判定を満たし、総額から1,000円が引かれます。
フル装備の例 — 30枚+特急=73,570円を1行ずつ再現する
初期条件のまま枚数を30枚にし、特急仕上げを付けた場合のレシートです。ここまでの変数が全部登場します。
| 行 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 割引前の1枚 | 白地924円+ワンポイント598円×2箇所 | 2,120円 |
| 数量値引き | 30〜39枚の段は−300円だが、白地1,000円未満の上限205円で頭打ち | → 1,915円 |
| 小計(本体) | 1,915円 × 30枚 | 57,450円 |
| 特急仕上げ | +500円 × 30枚 | +15,000円 |
| 送料 | 東京都・120サイズ×1箱 | +1,120円 |
| 合計 | 73,570円 | |
| LINEクーポン適用時 | 本体から−500円 | 73,070円 |
| 紹介者割引適用時 | 本体57,450円≧3万円で適用可・−1,000円 | 72,570円 |
値引きが−205円で頭打ちになる行と、特急代・送料がクーポンの外にある構造が見て取れるはずです。この30枚+特急の条件を自分の県の送料で再計算すると、届け先による総額差もその場で確定します。
この記事の金額が見積もり画面と必ず一致する理由
本記事の金額は、宣伝用に丸めた概算ではなく、見積もり画面と社内の見積もり照合ツールが共用している同一の計算処理を、記事の条件で実行した出力そのものです。画面とスタッフの手計算が食い違う事故を防ぐために計算処理が一本化されており、記事もその同じ一本から数字を取っています。
逆に言えば、将来価格が改定された場合に古くなるのはこの記事のほうです。実際の注文判断では、常に見積もり画面に表示される金額を正としてください。
よくある質問
枚数を増やすと何%安くなりますか?
%(定率)の割引ではありません。1枚あたりの値引き額が10段階で深くなる定額方式で、10枚の段の−100円から始まり1,000枚の段の−600円で打ち止めになります。さらに白地の価格帯ごとに値引き上限があるため、割引率に換算すると商品や枚数によってバラバラになります。比較したいときは率ではなく、見積もり画面の1枚あたりの実額で見てください。
見積もりの内訳のどこに版代が入っていますか?
どこにも入っていません。版代・製版代という費目自体が計算に存在せず、初回でも2回目以降でも加算されません。ただし版が不要な印刷方式(DTF転写など)は1箇所あたりの追加料金が大きいため、「版代が掛からない=安い」とは限りません。総額での比較をおすすめします。
クーポンは送料や特急代にも使えますか?
使えません。LINE友だち追加クーポン(500円)もご紹介者割引(1,000円・本体3万円以上)も、割引対象は商品+プリント+サイズ追加の「本体」部分だけで、特急代と送料は割引の外側です。紹介者割引の3万円判定も本体金額で行われます。
記事の21,120円と、いま画面に出る金額が違うのですが?
価格や仕様の改定があった場合、更新が後になるのは記事側です。本記事の数字は執筆時点の計算エンジンを実行した実額ですが、注文判断では常に見積もり画面の表示を正としてください。条件(商品・箇所数・届け先の都道府県)が初期状態と違う場合も、この記事の7変数のどれかが動いた結果として読み解けます。