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  5. マルシェ・クラフトフェアの屋号Tシャツ — 1〜3枚を版代な…
行事・イベント公開: 2026-05-30

マルシェ・クラフトフェアの屋号Tシャツ — 1〜3枚を版代なしで「作家ぽく」作る

屋号のブランドの空気感は名刺やテーブルクロスで先に完成し、作家本人の装いだけ取り残されがちです。屋号ウェアの採用はまだ少数という現状を起点に、初出店からシリーズ展開までライフサイクル別の屋号Tの役割、色素材フォントの統一設計、複数イベント横断の着回し、エプロン重ね着前提の首元設計、1〜3枚を版代なしで作るDTFとシルクスクリーンの小ロット比較を、個人作家の判断軸で整理します。

監修: preTTy 制作チーム(オリジナルウェア制作 1994年〜・累計30万着以上の製作実績/板橋区の自社工房でシルクスクリーン・DTF・刺繍・カッティングに対応)

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マルシェ作家の「装い」はブランドの空気感を仕上げる最後の1ピース

陶器を並べる白い棚、麻のテーブルクロス、活版で刷ったショップカード、屋号ロゴのスタンプを押した包装紙。個人作家のブースは、商品を置く前からブランドの空気感が一通り組み上がっていることが珍しくありません。ところが、その世界観の中心に立つ作家本人の装いだけは、最後まで「その日の気分の服」のままになりがちです。屋号入りのウェアを積極的に採用する出店者はまだ少数で、普段着での出店が多くを占めるとされます。その一方で、テーブルクロスやショップカードへ屋号ロゴを展開する運用はすでに広く実践されています。だとすれば、ウェアへのロゴ展開はその延長線上にある未着手の領域、と捉えると位置づけが見えてきます。

この記事が想定しているのは、1人、あるいは2〜3人の小規模ブースで、年に複数回マルシェやクラフトフェアに出店する作家です。たとえばフードフェスの出店Tシャツのように同時に何人ものスタッフを動かす運営チームのユニフォームとも、カフェの制服のように毎日同じ店舗で着続ける常設の制服とも、必要なものが違います。作家のウェアは「毎週着る作業着」でも「全員お揃いの統一服」でもなく、屋号という世界観を身にまとう小さな看板です。だからこそ枚数は1〜3枚で足り、版を起こすかどうかから検討が始まります。まずは自分がどの段階にいるかを、次の時間軸で確かめてみてください。

出店者ライフサイクルで変わる屋号Tの役割(初出店→リピート→シリーズ展開)

屋号Tの役割は、役割分担表のように固定されたものではありません。同じ作家でも、出店歴という時間軸の上を進むにつれて「何のために着るのか」が移り変わります。そして役割が変われば、何枚作るか・版を起こすべきかという意思決定の答えも一緒に動きます。多くの作家がたどる流れを3段階に分けると、自分の現在地と次に必要な一手が見えてきます。小ロットでの段階的な発注の考え方そのものは小ロット注文のコツもあわせてご覧ください。

  • 初出店期: まだ自分の屋号が来場者の記憶に残っていない段階。屋号を「顔」として見せることが役割。必要枚数は1枚で十分で、版は起こさない判断が基本。
  • リピート期: 同じイベントに繰り返し出る段階。1枚を着続けると洗濯劣化が出るため、洗い替えとして2〜3枚に増やしたい。ここで版代の按分が論点になる。
  • シリーズ展開期: 複数イベント・季節商品に合わせて見せ方を変える段階。デザイン差分を出しつつ、屋号の世界の核は固定する設計判断が必要になる。

初出店期 — まず1枚、屋号を「顔」にする

初めての出店では、屋号Tの目的は「私はこの屋号の作家です」と無言で名乗ることに尽きます。来場者はまだ作家の顔も商品も知りませんから、エプロンや胸元の屋号ロゴが、名刺を渡す前の自己紹介を肩代わりします。この段階ではロゴ1点・1枚から始めるのが理にかなっています。複数枚を揃えるのは、出店を続けると決めてからで遅くありません。

「いきなりTシャツに刷るのは勇気がいる」という場合、選択肢は2つあります。1つは普段着の上にロゴ入りエプロンだけを重ねる方法で、Tシャツ本体に手を入れずに屋号を見せられます。もう1つはT本体にロゴを入れて、装いごとブースの統一感に寄せる方法です。前者はエプロンを替えれば服を選ばないという気軽さがあり、後者はエプロンを外した搬入・搬出時にも屋号が見える利点があります。いずれにせよ1枚から試せるなら、版を起こさずに「屋号を着てみる」感触を確かめられます。1枚だけの注文の進め方は1枚から作るオリジナルTシャツの注文ガイドで具体的に解説しています。

リピート期 — 同じデザインを洗い替えで増やす

同じイベントに数回出るようになると、1枚を着回す運用の限界が見えてきます。屋外のマルシェは汗をかきますし、土や絵の具、食品を扱えば汚れもつきます。毎回洗えばプリントの劣化や、生乾きのにおいが出るまでの時間が早まり、「来週も同じ1枚を回し続ける」という不安がつきまといます。そこで同じデザインのまま2〜3枚へ増やし、洗い替えで回したくなるのがこの段階です。

ここで多くの作家がつまずくのが、追加分の単価です。版を作って刷るシルクスクリーンは、版代という固定費を枚数で割って単価にならすため、2〜3枚の少数追加では1枚あたりが割高になりやすい構造を持っています。初回に版を作っていても、追加ロットが小さいほどこの不利は効いてきます。この「少数だと版代が重い」という構造そのものを、後半の小ロット単価比較の表で正面から扱います。

シリーズ展開期 — イベント・季節でデザインを変える

出店歴が長くなり、複数のイベントを横断するようになると、見せ方に変化をつけたくなります。春の新作に合わせた色、クリスマスマーケット向けの装い、特定のフェアだけの限定デザイン。これがシリーズ展開期です。ただし、ここで全要素を毎回作り替えると、来場者から見て「同じ屋号の作家」だと認識されなくなり、せっかく積み上げた記憶がリセットされてしまいます。

原則は、変えてよいのは色や柄、変えてはいけないのは屋号の世界の核(フォントとロゴ)という線引きです。背景色を季節ごとに替えても、屋号の書体とロゴの形が一定なら、来場者は一目で同じ作家だと分かります。この「核は固定・周辺は可変」という考え方を具体的な設計次元に落とし込むのが、次の世界観設計表です。

世界観を統一する3要素 — 色・素材・フォントの設計表

マルシェのブランディングでは、色・素材・フォントを統一すると「プロっぽさ」が出るとされ、出店者本人の装いを含めたブランドの空気感の統一が推奨されます。すでにテーブルクロスやショップカードで実践している統一ルールを、そのままウェアへ翻訳するのがこの表の趣旨です。役割分担の表ではなく、販促物での既存運用・ウェアでの対応指針・ありがちな崩れ方を並べて、装いだけが浮かないようにします。配色の組み合わせは色の組み合わせガイド、ロゴの扱いはロゴデザインの基本もあわせて参照してください。

統一する要素販促物での既存運用(例)ウェアでの対応指針ありがちな崩れ方
色(メイン/サブ)テーブルクロスや包装紙のベース色、ショップカードの差し色T本体かエプロンをメイン色に寄せ、ロゴはサブ色で。色数は2色以内に絞るその日の気分で別系統の色の服を着て、ブースだけ浮いて見える
素材(質感)麻・クラフト紙・木など「手仕事感」を出す素材選びマットな綿や生成りなど質感を合わせる。光沢の強い化繊はブランドの空気感とずれやすい販促物は素朴な質感なのに、ウェアだけツヤのある量産品に見える
フォント(屋号書体)ショップカード・値札・SNSで使う固定の書体プリントも同じ書体に統一。手書きロゴなら画像化して全媒体で同一にカードは筆記体、Tはゴシックなど媒体ごとに書体がバラバラ
ロゴ位置・余白カードの隅・中央など決まった置き方と余白の取り方胸または首元など定位置を決め、余白を詰めすぎない。エプロンで隠れない高さにプリント面いっぱいに大きく入れ、他媒体の上品な余白感と不一致になる

ポイントは、表の左から右へ「すでにやっていること」を「ウェアでも同じく」と移すだけ、という発想です。新しく屋号の世界を発明するのではなく、取り残されていた装いを既存ルールに合流させることが、作家のウェア設計の本質です。

エプロン重ね着前提で決める丈・首元・色

作家のウェアが運営スタッフTと決定的に違うのは、多くの場合エプロンの下にTを着るという前提です。胴体の大部分はエプロンで覆われるため、来場者から実際に見えるのは首元・襟・袖・裾だけ。プリント面を胸の真ん中に大きく入れても、その大半は隠れてしまいます。つまり、見える面積から逆算して仕様を決める必要があります。

具体的には次の順で考えると迷いません。

  • エプロンの色とTの色のコントラスト: エプロンとTが同系の暗色同士だと、首元と袖が境目なく沈みます。エプロンが濃色ならTの首元は明るめに、その逆もまた然り。ブランドの空気感を支える2色をエプロンとTに振り分けると、重ねた時に自然に切り替わって見えます。
  • 首元の形(クルー/Vネック): エプロンの胸当てがある場合、首元だけが額縁のように見えます。屋号の世界が直線的ならクルーネック、柔らかい印象ならVネックといった具合に、首のラインも装いの一部として選びます。
  • ワンポイントと背面を効かせる: 胸の中央はエプロンに隠れるため、首元寄りのワンポイントや背面のロゴのほうが実際には目に入ります。お客さまに背を向けて棚を整える時間も長いので、背面ロゴは想像以上に働きます。
  • 屈む作業での丈・裾: 商品を床置きの箱から出したり、低い棚を整えたりと屈む動作が多いため、丈が短いと屈んだ瞬間に腰や背中が出ます。エプロンの裾からTの裾が不格好にはみ出さない丈感も、試着して確認しておきたい点です。

エプロンとTの配色を一緒に詰めたい場合は色の組み合わせガイドが参考になります。

1〜3枚を版代なしで作る — DTFとシルクスクリーンの小ロット単価比較

リピート期で触れたとおり、作家のウェアは1〜3枚という小ロットが中心です。ここで効いてくるのが印刷方式の選び方です。DTF(デジタルトランスファー)プリントの普及により、1枚からフルカラー・版不要でオリジナルプリントが可能な業者が国内に複数存在します。一方シルクスクリーンは版を作る方式のため、版代という固定費が発生します。下の表は、版代を払わずに1〜3枚を作りたいという注文文脈に直結する整理です。

枚数DTF(版不要・フルカラー・1枚対応)シルクスクリーン(版代発生)向いている場面
1枚版代がかからず、1枚でも単価が跳ね上がりにくい1枚に版代がまるごと乗るため、1枚あたりが最も割高になりやすい初出店で試しに1枚だけ作る
2枚2枚目もほぼ同条件で追加でき、フルカラーや写真調も同単価版代を2枚で按分するが、少数すぎて1枚あたりはまだ重い洗い替えで2枚に増やす
3枚枚数が増えても版に縛られず、デザイン差分も出しやすい版代を3枚で按分してもなお按分先が少なく単価が高止まり毎週末の出店に耐える3枚体制

ここで需要の多寡を断定するつもりはありません。あくまで費用構造の話として、版代を按分できる枚数に達しない小ロットでは、構造的にDTFのほうが単価で有利になりやすい、という事実だけを押さえてください。とくにフルカラーのロゴや写真調のモチーフは、色数ごとに版が増えるシルクスクリーンより、色数に縛られないDTFが小ロットでは扱いやすい傾向です。方式ごとの詳しい違いはDTFとシルクスクリーンの比較、小ロットでの発注の進め方は小ロット注文のコツをご覧ください。

複数イベントを横断する着回しと、農家・キッチンカーとの違い

年間で複数の都市・複数のイベントを回る作家にとって、屋号Tの設計で最も差が出るのが地名やイベント名を入れるかどうかです。たとえば「○○マルシェ2026」と日付や会場名を刷ると、そのイベント以外では着づらくなります。逆に屋号だけにしておけば、どの会場でも同じ1枚を着回せて、洗い替えの3枚がそのまま全イベントで通用します。複数イベントを横断するなら、答えは明確に屋号だけです。

イベントの規模感を具体的に見ておくと判断しやすくなります。東京ハンドメイドマルシェ2026春は約700ブース・2日間、ヨコハマハンドメイドマルシェ2026は約3,200ブース・2日間と大規模で、全国で年間複数都市に展開しています。一方、クラフトフェアまつもとは年1回(5月)・約260出展者・2日で来場4万人超と応募倍率が高く選考制で、性格がかなり異なります。出店規模も来場層も会場ごとに違う以上、会場名を刷り込むより、どこへ持って行っても同じ屋号の作家だと伝わる設計のほうが、横断する作家には向いています。

近い構図として、移動して出店する業態にキッチンカーがあります。キッチンカーはイベント・マルシェ・企業施設など場所を変えて出店し、毎年同じイベントに出ることで固定客が形成されます。場所が変わっても屋号で認知されるという点で、屋号Tの認知効果は作家と近い性質を持ちます。一方、産直や直売を行う農家は、その土地や生産地そのものが看板になりやすく、地名を出すことが強みになる場合もあります。移動する作家・キッチンカーは屋号で、土地に根ざす農家は産地で、という対比で考えると、自分の屋号Tに地名を入れるべきかの判断がつきやすくなります。

屋号Tをきっかけに整える販促物との一貫性

作家1人〜数人のウェアは数枚単位の小さな注文ですが、屋号Tを作る過程は世界観全体を整え直す入口になります。Tのために確定したロゴ・色・フォントは、そのまま他の販促物にも展開できるからです。ここでは、屋号Tから次に進むべき実務を、対応するガイドとともに整理します。それぞれが作家のどの作業に効くかを一文ずつ添えました。

  • ロゴデザインの基本 — Tに刷るロゴを「全媒体で使える形」に確定させる、最初の一歩。
  • 色の組み合わせガイド — T・エプロン・テーブルクロスの色を1つのパレットに揃えるための配色設計。
  • 入稿データ作成ガイド — 確定したロゴをプリント用データに整える、発注直前の作業。
  • 小ロット注文のコツ — 洗い替えの2〜3枚を無理なく発注するための進め方。
  • 1枚から作るオリジナルTシャツの注文ガイド — 初出店でまず1枚だけ試す時の具体的な手順。
  • ワークショップ用Tシャツ — 体験会やワークショップを開く作家が、参加者用に展開する場合の考え方。

順番としては、ロゴ確定 → 入稿データ作成 → 小ロット発注、という流れが自然です。屋号Tはその最初の口実であり、ブランドの空気感を一本筋に通すための起点になります。

よくある質問

Q. 屋号入りのTシャツを1枚だけ作ることはできますか?

A. 1枚から制作できます。DTFプリントは版を作らない方式のため、1枚でも単価が極端に跳ね上がりにくいのが特長です。初出店でまず屋号を着てみたい、という段階では1枚から試す進め方が無理がありません。詳しい手順は入稿データ作成ガイドもあわせてご確認ください。

Q. 2〜3枚の追加なのに版代を取られると聞きましたが、避けられますか?

A. 版を作るシルクスクリーン方式では版代という固定費が発生し、追加が少数だと1枚あたりに重く乗ります。版を作らないDTFプリントを選べば、2〜3枚の洗い替え追加でも版代の負担なく作れます。少数の追加を前提にするなら、最初からDTFで作っておくと追加時にも単価が安定します。DTFとシルクスクリーンの比較で構造の違いを解説しています。

Q. エプロンを着るとロゴが隠れてしまいます。どこにプリントすべきですか?

A. 胸の中央はエプロンの胸当てで隠れやすいため、首元寄りのワンポイントや背面ロゴのほうが実際には目に入ります。接客で背を向ける時間が長いマルシェでは、背中側の見え方が効いてきます。エプロンの裾位置を測り、隠れない高さにプリント位置を上げるのも有効です。

Q. 出店するイベントごとにデザインを変えたいのですが、毎回作り直しになりますか?

A. 屋号の世界の核であるフォントとロゴを固定し、色や柄だけを差し替える設計にすると、来場者から「同じ屋号の作家」と認識されたまま見た目に変化をつけられます。DTFは版に縛られないため、デザイン差分のあるバリエーションを少数ずつ作るのにも向いています。核は固定・周辺は可変、が基本の考え方です。

Q. 手描きの屋号ロゴしかなくても、Tシャツにできますか?

A. 手描きのロゴでも、画像データ化すればプリントできます。スキャンまたは撮影した画像を入稿用に整えれば、Tだけでなくショップカードやテーブルクロスなど全媒体で同じロゴを使い回せます。手描きの味を残したい場合の整え方は入稿データ作成ガイドでご相談ください。

Q. 洗い替えで何枚作れば、毎週末の出店に耐えられますか?

A. 出店頻度と洗濯・乾燥のサイクル次第ですが、毎週末に連続して出るなら2〜3枚あると、1枚を洗っている間に別の1枚を着られて回りやすくなります。屋外で汗や汚れがつきやすい環境では、乾く時間も見込んで複数枚を用意しておくと、当日ぎりぎりの自転車操業を避けられます。

お見積もり・ご相談

preTTy(プリティ)は、屋号1〜3枚という小ロットから、複数イベントを横断する着回し設計、エプロンとの相性を見た首元・背面の配置まで、個人作家ならではのご相談に対応しています。「まずは1枚だけ屋号を着てみたい」という段階からご相談いただけます。仕様や枚数が決まっていなくても、自動見積もりでおおよその費用感を数秒で確認できます。手描きロゴの整え方やエプロンとの配色など細かな相談はLINEで無料相談へ、お急ぎの場合はお電話(0120-76-2005)でもどうぞ。

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