素材公開: 更新:

DTFとシルクスクリーンどっち?版代込みの損益分岐を公開料金で計算

結論: 切替ラインは「30枚」のような一律の数字ではなく、版代・色数・デザインの大きさで動きます。公開料金表(2026年9月確認)で計算すると、1色・10cm角は13枚から、1色・A4が入る大きさは10枚の時点でシルクが安く、2色・A4が入る大きさは40枚でようやく同額。版代のないpreTTyでは、単色なら枚数によらず普通色がDTFより1箇所880円安くなります。

執筆・監修: preTTy 編集部(オリジナルウェア制作 1994年〜・累計30万着以上の製作実績/板橋区の自社工房でシルクスクリーン・DTF・刺繍・カッティングに対応)

DTFプリントとは

DTF(Direct to Film)プリントは、専用フィルムにデザインを印刷し、熱プレスでTシャツに転写する方法です。版が不要なため、技法としては少量からフルカラーで制作でき、写真やグラデーションの再現性に優れています(preTTyでのご注文は方式を問わず10枚からです)。DTF の料金は色数では変わりません。下で使う公開料金表の例では刷る大きさと枚数で決まり、preTTy では DTF の追加料金が箇所ごとの定額です。詳細は DTF転写の特徴。

シルクスクリーンとは

シルクスクリーンは、デザインの色ごとに「版」を作り、その版を通してインクを生地に刷る方法です。版を作る費用(版代・製版代)は刷る枚数に関係なく1版ごとにかかるので、枚数が増えるほど1枚あたりに割り振られる版代が薄まります。公開されている料金表の例では、タカハマライフアートが1色の版代5,000円(価格表・同社の計算例は税別表記)、トランパックが28×40cm以内の製版代6,600円(税込・価格表)で、どちらも2026年9月26日に確認した金額です。

版代込みの損益分岐を公開料金表で計算する

「何枚からシルクのほうが安いか」は、版代・色数・デザインの大きさで動きます。版代・シルクのプリント代・DTF のプリント代を1つの価格表で公開しているタカハマライフアートの料金(2026年9月26日確認)を使い、ボディ代を除いたプリント部分だけを1枚あたりで比べると次のとおりです。ボディ代はどちらの方式でも同じなので、差はプリント部分だけで決まります。シルクの列は「1枚あたりのプリント代 + 版代 ÷ 枚数」で計算し、1円未満を四捨五入しました。同社のシルクの料金には大きさの区分がなく、DTF は大きさで4区分あります。

1箇所・1枚あたりのプリント部分の費用(ボディ代別。タカハマライフアートの価格表の金額から計算)
枚数シルク1色(版代5,000円込み)シルク2色(版代10,000円込み)DTF 小(10×10cm)DTF 中大(23×35cm)
10枚1,100円2,300円1,000円1,300円
20枚700円1,300円800円1,000円
30枚517円983円600円900円
40枚425円800円500円800円

この表から読み取れるのは、切り替わる枚数が条件ごとにまったく違うことです。

  • 1色・10cm角のワンポイント: 10枚では DTF が100円安く、20枚ではシルクが100円安い。10〜19枚の料金帯で計算すると、13枚からシルクのほうが安くなる
  • 1色・A4が入る大きさ(23×35cm): 10枚の時点でシルクが200円安い
  • 2色・10cm角: 40枚でも DTF のほうが300円安い
  • 2色・A4が入る大きさ: 30枚では DTF が83円安く、40枚でようやく同額

つまり「30枚が切替ライン」のような一律の数字はなく、色が増えるほど、またデザインが小さいほど、DTF が有利な範囲が広がります。同社の価格表には50枚以上の大口割引(最大30%)と DTF の50枚以上の改定価格があり、100枚以上は問い合わせ制、シルクのデザインは3色までとされています。50枚以上を比べるときは、見積もりを取って同じ計算をしてください。別の業者で比べるときも、「版代 ÷ 枚数 + 1枚のプリント代」を DTF の1枚のプリント代と並べれば、同じ形で損益分岐が出せます。

preTTy の場合 — 版代がないので枚数で方式が入れ替わらない

preTTy の見積もりには版代という費目がありません。方式の追加料金は、普通色(単色のみ)が0円、DTF(淡色)が1箇所880円、DTF(濃色)が1,100円の定額で、枚数によって変わりません。そのため上のような損益分岐は起きず、単色で表現できるデザインなら、枚数にかかわらず普通色が DTF(淡色)より1箇所880円安くなります。5.6oz スタンダードTシャツ(00085-CVT)の前面(A4以内)1箇所で比べると次のとおりです。

00085-CVT・前面(A4以内)1箇所・1枚あたりの実額(プリント代込み・税込・送料別。2026年9月26日に自動見積もりと同じ計算で確認)
枚数普通色(単色のみ)DTF(淡色)DTF(濃色)
10枚1,953円2,833円3,053円
30枚1,753円2,633円2,853円
50枚1,653円2,533円2,753円
100枚1,643円2,523円2,743円
300枚1,533円2,413円2,633円
1,000枚1,453円2,333円2,553円

数量割引は1,000枚まで段階的に効くため、300枚は100枚より110円、1,000枚は100枚より190円、1枚あたりが下がります。白地924円のボディ(4.4oz ドライメッシュ 00300-ACT など)にすると、前面(A4以内)の普通色は10枚で1,722円、30枚で1,617円ですが、このクラスのボディは30枚で値引きが上限に達し、199枚まで1,617円のまま変わりません。料金試算は 自動見積もり で具体的な条件を入れて確認できます。

どっちを選ぶ?判断の順番

枚数から決めるより、デザインから決めるほうが迷いません。

  • 写真・グラデーション・多色のイラスト → DTF。preTTy では、白・淡色ボディに写真だけならフルカラー(+330円/箇所)のほうが安く、濃色ボディなら DTF(濃色・+1,100円/箇所)
  • 1〜2色のロゴや文字 → 版代を取る業者では、上の計算式で枚数ごとに比べる。preTTy なら普通色(単色のみ)で、枚数にかかわらず DTF より安い
  • 細い線や小さい文字を含む多色 → DTF(淡色)。preTTy の方式ページでも「細い線・小さい文字を含む多色デザイン」に向くとしている
  • 迷ったら → 自動見積もりで方式だけを切り替えて、総額を並べる

色数での料金変動(シルク)

シルクスクリーンは色ごとに版が要るので、色が増えると版代もプリント代も増えます。上の価格表では、2色にすると版代が10,000円になり、1枚あたりのプリント代も10〜19枚で600円→1,300円、30〜39枚で350円→650円に上がります。一方、DTF の料金は色数で変わりません。このため2色のデザインでは、10cm角なら40枚でも DTF のほうが安く、A4が入る大きさでも40枚でようやく並びます。色が増えるほどシルクの版代とプリント代だけが積み上がるので、DTF が有利な範囲はさらに広がります。

写真・グラデーションの再現性比較

写真やグラデーションは、データの色をそのまま刷る方式のほうが得意です。版を使う方式では、色の濃淡を点の大きさに置き換えて表現します。

  • DTF: 写真・グラデーションをデータの色のまま再現する。preTTy では RGB のデータのままでも入稿できる
  • シルクスクリーン: グラデーションは網点(ハーフトーン)処理で表現する(入稿ガイド)
  • 蛍光色・金銀: シルクスクリーンは金・銀・蛍光の特色インクを使える(同ガイド)。データの色で刷る方式では、蛍光色や特殊色は再現が難しい場合がある(色の再現についてのFAQ)

写真入りTシャツなら 写真プリントTシャツの作り方 を参照。

洗濯耐久性の比較

「シルクは何回、DTF は何回」という洗濯回数の比較は、この記事では書きません。preTTy の FAQ でも、何回持つかは洗い方とデザインによって変わるとしています。方式の性質として言えるのは、シルクスクリーンはインクを生地に刷り込むのでベタ塗りの部分が残りやすいこと(洗濯についてのFAQ)、DTF は熱で貼り付けた層なので、乾燥機とプリント面への直接のアイロンを避けるべきことです。

  • 裏返して洗う・漂白剤を使わない・乾燥機を使わない は両方に共通する基本

洗濯表示の読み方とプリント別の注意は プリント別の正しい洗い方 にまとめています。

濃色Tシャツへのプリント比較

黒やネイビーのボディに明るい色を出すとき、DTF(濃色向け)も preTTy の普通色も白インクを下地に使います。その白が料金にどう響くかは、方式と業者で違います。

  • DTF: 濃色向けは白インクの下地を入れてから色を重ねる。preTTy では DTF(濃色)が1箇所1,100円で、淡色向けより220円高い
  • 版代を取る業者のシルク: 濃色ボディに刷るときは、下地の白が色数(版の数)に入るかを見積もりで確かめておくと、版代の読み違いを防げる
  • preTTy の普通色: 白インクを下地に使うので、黒やネイビーのボディにも単色で刷れ、追加料金は0円(普通色の方式ページ)

黒T・紺Tに白1色のロゴなら、preTTy では DTF(濃色)ではなく普通色で足ります。

納期の違い

preTTyの納期は、見積もりで普通色(単色)を選んでも DTF を選んでも標準5〜7営業日で、この2つの間に標準の日数の差はありません。お急ぎの特急仕上げ(+500円/枚・3〜4営業日)は10〜30枚などが目安の条件つきで、DTF(濃色)は方式ページで「お急ぎ対応可(要相談)」としています(特急仕上げの条件)。なお、同じロゴを刺繍ワンポイントにする場合はプリントの方式と違い、方式ページの目安で標準7〜10営業日かかり、特急は使えません。納期は「デザイン確定・決済完了後」から数えるので、急ぐときほどデザインを早く固めるのが近道です。直前の案件は 急ぎ注文のコツ も参照してください。

肌触り・見た目の違い

手触りは、生地の上にどれだけの厚みの層が乗るかで決まります。preTTy の方式ページの記載は次のとおりです。

  • DTF(淡色): プリント面に薄いシート感がある。大面積のベタ塗りは膜感が目立ちやすい
  • DTF(濃色): 白インクの下地があるぶん層が厚く、手触りはやや硬め
  • 普通色(単色のみ): 薄い膜感のある、しっかりした手触り。マットな仕上がり

よくある疑問Q&A

  • Q: 写真をプリントしたい、どっち? → DTF。preTTy なら白・淡色ボディはフルカラー(+330円/箇所)、濃色ボディは DTF(濃色・+1,100円/箇所)
  • Q: 10枚だけ作りたい、どっち? → 版代を取る業者では版代が1枚あたりに重く乗るが、上の計算では1色・A4が入る大きさなら10枚でもシルクが安かった。preTTy は10枚から、どの方式も版代なし
  • Q: 100枚で1色、どっち? → preTTy なら普通色。00085-CVT の前面(A4以内)で DTF(淡色)より1枚880円、100枚で88,000円安い
  • Q: 黒Tに白ロゴ、どっち? → preTTy なら普通色(白インクを下地に使うので濃色にも刷れ、追加料金0円)
  • Q: 耐久性重視なら? → 回数では比べられない。DTF は熱に弱い前提で、乾燥機とプリント面へのアイロンを避ける
  • Q: 急ぎで2週間後必要、どっち? → preTTy の普通色と DTF の間では差がつきません(どちらも標準5〜7営業日で、デザイン確定・決済から数える)。間に合うかどうかは、確定する日とお届け先の地域で決まります

判断基準のまとめ

  • 切替ラインは一律ではない — 版代を取る業者では「版代 ÷ 枚数 + 1枚のプリント代」で比べる。公開料金表の例では、1色・10cm角で13枚、2色・A4が入る大きさで40枚
  • 写真・グラデ・多色はDTF — 枚数に関わらずDTF(白・淡色ボディへの写真なら、preTTy ではフルカラーのほうが安い)
  • preTTy は版代なし — 単色なら枚数にかかわらず普通色が DTF(淡色)より1箇所880円安い
  • 迷ったら自動見積もり — 枚数と条件を入れて両方の料金を比較

DTF(淡色+880円/ヶ所・濃色+1,100円/ヶ所)と普通色(単色のみ・+0円)は、枚数ではなくデザインの色数で選び分けます。両方式で同じ枚数の単価を出して比べるのが確実です。

あわせて読む

あわせて読みたい

素材

プリント方法徹底比較2026 — シルク/インクジェット/DTF

シルクスクリーン・インクジェット・DTFの3大プリント方法を、仕組み・仕上がり・コスト(preTTy の見積もり実額)で比較。

プリント方法

Tシャツプリント位置の料金全公開 — 胸ワンポイント598円から3箇所2,394円まで12プリセット実額表

Tシャツのプリント位置ごとの追加料金を、見積もりエンジンの料金定数から12プリセットすべて実額で公開。胸ワンポイント598円から3箇所2,394円まで、位置を増やしたときの総額の動き方も並べます。

作り方

昇華転写プリントの仕組みと向いているデザイン

昇華転写プリントの仕組みとメリット・デメリットを、プリンターメーカーの公式情報をもとに解説。

コラム一覧に戻る

オリジナルウェアを作ってみませんか?

デザインが決まっていなくても大丈夫。まずは自動見積もりで概算料金をご確認ください。 デザイン相談・特殊な内容はLINEでどうぞ。

まず自動見積もりで料金を見る無料で相談する
無料見積もり24時間その場で概算電話相談