水彩風プリントとは
水彩画のような柔らかくにじんだ表現をTシャツに刷る手法です。水彩風のための専用の方式やインクがあるわけではなく、にじみやかすれを含んだ画像データを、写真やグラデーションを再現できる方式で刷ります。preTTy の自動見積もりで選べる方式でいえば、白や淡い色のボディには フルカラー、黒・紺のボディには DTF(濃色向け) が当てはまります。仕上がりを左右するのは方式よりも、データの大きさ・背景の処理・ボディの色の3つです。
水彩の表現を作る方法
水彩の表現は、紙に描いた本物の水彩をスキャンするか、デジタルで水彩風に描くかのどちらかで作ります。紙の水彩は、にじみや紙の目まで残せる反面、背景の紙の色も一緒に取り込まれます。デジタルは、最初から背景を透明にして描けるのが利点です。生成AIで水彩風の絵を作る場合は、使ったサービスの利用規約で、商用利用やグッズへの使用が認められているかを確認してください。
- 実際の水彩画をスキャン
- Photoshop の水彩ブラシ・フィルター
- Procreate(iPad)・Affinity Designer・Krita(無料)などの水彩ブラシ
- 生成AIでの水彩スタイル
入稿データの大きさ — 刷る面積から逆算する
preTTy の 入稿データガイド は、画像データを実際に刷る大きさで300dpi以上にするよう推奨しています。水彩のにじみの細かさは画素数でそのまま決まるので、描き始める前にキャンバスの大きさを決めておきます。下の表は、刷る大きさを300dpiで換算したピクセル数です(1インチ=25.4mm)。
| 刷る大きさ | 寸法 | 300dpiで必要なピクセル数 | 自動見積もりでの扱い |
|---|---|---|---|
| 胸ワンポイント | 縦横10cm以内 | 1,181×1,181(約140万画素) | プリント位置「胸ワンポイント」など |
| A4以内 | 210×297mm | 2,480×3,508(約870万画素) | プリント位置「前面」「背面」(A4以内) |
| A3(入稿ガイドの最大プリント範囲) | 297×420mm | 3,508×4,961(約1,740万画素) | 自動見積もりのプリント位置には無いため、個別に確認 |
紙に描いた水彩をスキャンする場合、紙の大きさと刷る大きさが同じなら300dpiで足ります。はがき大の絵をA4に拡大して刷るなら、拡大する倍率の分だけ解像度を上げて取り込みます(紙の大きさ別の計算表は 手書きイラストをTシャツにする方法)。
にじみと透明感を残すための入稿の注意
水彩の絵は、にじんだ縁や淡い色の部分がいちばん崩れやすいところです。入稿データガイドの記載のうち、水彩で特に関係するものを挙げます。
- 背景の紙の色: スキャンした水彩は、紙のわずかな黄ばみも色として刷られます。背景を透明にしたPNGで入稿するか、背景の除去を依頼します(入稿ガイドのよくある質問では、背景の除去は簡単な修正として無料で対応するとしています)
- 透過PNG: DTF は PNG の透過データをそのまま使えます
- カラーモード: CMYK推奨ですが、DTF は RGB での入稿もでき、色の変換は preTTy 側で行います。仕上がりの色味が多少変わる場合があるので、淡い色は後述のプレビューで確認します
- 解像度: 実寸で300dpi以上。Web用の72dpiの画像は、刷ると粗くなります
ボディの色と方式の選び方
水彩の透明感が出るかどうかは、ボディの色でほぼ決まります。フルカラーは白・淡色の生地で発色が良く、濃色の生地では色がくすむ方式です。黒や紺のボディに水彩を載せるなら、白インクを下地に敷く DTF(濃色向け)になります。濃色でも色が沈まずに出ますが、インクの層が増えるぶん手触りはやや硬めで、大きな面積では膜感が目立ちやすくなります。
- 白: フルカラー。水彩の透明感が活きる
- アイボリー・ナチュラル・バニラホワイトなどの淡い色: フルカラー。古紙のようなヴィンテージ感が出る。5.6oz の 5001-01 にはこの系統の色があります(United Athle 公式の品番ページ、2026年9月26日確認)
- ライトグレー: フルカラー。大人っぽい印象に
- 黒・紺: DTF(濃色向け)。大面積のベタは膜感が目立ちやすい
フルカラーはインクジェット方式です。4.4oz のドライメッシュ(00300-ACT)は商品情報に「DTG(インクジェット)不可」の注意書きがあるので、水彩をフルカラーで刷るなら綿のボディを選んでください。
面積と実額 — 水彩は大きく刷るほど映える
水彩は細部よりも、にじみや色の重なりを大きく見せるほうが魅力が出ます。刷る面積と方式でどれだけ変わるかを、5.6oz の綿Tシャツ(5001-01・白地1,248円)で自動見積もりしました(1枚あたり・税込・送料別。東京都あての送料は10枚で920円、30枚で1,120円)。
| 刷る面積 | 白・淡色ボディ×フルカラー 10枚 | 同 30枚 | 黒・紺ボディ×DTF(濃色向け)10枚 | 同 30枚 |
|---|---|---|---|---|
| 胸ワンポイント(縦横10cm以内) | 2,076円 | 1,876円 | 2,846円 | 2,646円 |
| 前面A4以内 | 2,376円 | 2,176円 | 3,146円 | 2,946円 |
| 前面A4以内+背面A4以内 | 3,604円 | 3,404円 | 5,144円 | 4,944円 |
胸ワンポイントから前面A4以内に広げても、上がるのは1枚300円です(サイズ料金の差)。水彩を小さく刷ると、にじみの細部がつぶれて色のしみのように見えやすいので、迷ったらA4を基準に考えると失敗が少なくなります。一方、黒ボディで前後両面にすると10枚で1枚5,144円、30枚で4,944円になり、白ボディの同じ面積より1,540円高くなります。単色でよいデザインなら普通色(ラバー)で前面A4以内が10枚で1枚2,046円ですが、普通色は色ごとに版を分ける方式なので、にじみやグラデーションは出せません。水彩デザインの枚数と面積で単価を試算する
向いているモチーフと色使い
水彩は、輪郭のはっきりしないものや、色が少しずつ移り変わるものと相性が良い表現です。色は3〜5色に絞ると、にじんだ部分が濁らずに残ります。余白を十分にとり、完璧な線を引かないことも、水彩らしさを残すコツです。
- モチーフ: 花・植物/風景画/動物(柔らかい毛並み)/人物のイラスト/抽象画
- 色使い: パステル系は春らしく、アースカラーはナチュラルに、鮮やかな色はポップに、モノクロはシンプルで上品に
- 季節の色: 春は桜のピンク、夏はブルーの清涼感、秋は紅葉のオレンジ、冬は白と淡い青
- 文字との組み合わせ: 背景に水彩のにじみを敷く/文字の内側を水彩で塗る/カリグラフィと合わせる
失敗しやすい点と、うまくいくパターン
水彩風の失敗の多くは、データの段階で防げます。典型的なのは、刷る大きさに対して画素が足りずにじみがぼやける、淡い色が淡すぎて生地の上で目立たない、ボディの色と合わない、の3つです。袖まで続くようなオールオーバーの柄は、自動見積もりのプリント位置(胸・前面・背面・肩)に無く、入稿データガイドの最大プリント範囲もA3なので、事前の相談が必要です。
- 失敗例: 細かいディテールがぼやける/色が薄すぎて印象が弱い/サイズが小さすぎる/Tシャツの色と相性が悪い
- うまくいくパターン: 大きく刷って水彩の魅力を見せる/白T+淡い色使い/自然のモチーフ/アート感のあるコンセプト
仕上がりの確認 — プレビューとサンプル
画面で見る色と生地に刷った色には、差が出ることがあります。preTTy のよくある質問でも、画面上の色と実際のプリント色に若干の差が生じる場合があるとしています。製作前には、入稿データをもとにした仕上がりイメージ(プレビュー画像)が LINE かメールで届き、確認のOKを出してから製作に入ります。淡い色の出方やにじみの表現を実物で確かめたい場合は、本番の前にサンプルを1枚作ることもできます(別途費用と日数がかかるので、事前に問い合わせてください)。
活用シーン
最小ロットが10枚なので、個展やギャラリーのグッズのような少量の制作にも使えます。
- アート系ブランド・アーティストコラボTシャツ
- 個展・作品展・アートイベントのグッズ
- フラワーアーティスト・ナチュラル系ショップ
- 誕生日のフラワーT、母の日のカーネーション、結婚祝いのブーケなどのギフト
洗濯と耐久性
洗濯を重ねると徐々に退色し、目立つまでの回数はインクと洗い方で変わります。preTTy のよくある質問の洗濯の案内では、裏返しにしてネットに入れ、乾燥機を避けて洗うと、きれいな状態を長く保てるとしています。
- 裏返してネットに入れて洗う
- 乾燥機は避ける
- 陰干しが理想