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インクジェットプリントの特徴と適用シーン

Tシャツのインクジェットプリントを、メーカー公式の仕組みの説明(水性顔料インク・前処理・白インク)、preTTy の「フルカラー」(CMYKのインクジェット方式)の加算額と枚数別の実額、商品ページに書かれたボディごとの対応可否(綿は対応・ポリエステルメッシュは対応外など)から整理します。

執筆・監修: preTTy 編集部(オリジナルウェア制作 1994年〜・累計30万着以上の製作実績/板橋区の自社工房でシルクスクリーン・DTF・刺繍・カッティングに対応)

インクジェットプリントの基本

インクジェットプリントは、専用のプリンターで布に直接インクを吹き付ける技法です。衣類向けのプリンターを作るブラザーは、この機械を「衣類(Garment)に直接インクを塗布して印刷するプリンター」と説明し、「データがあれば1枚から作成できる、小ロット・オンデマンドに適した機械」としています(ブラザー「ガーメントプリンターとは」)。版を作らずにデジタルデータから刷れるので、写真やグラデーションのように色数の多い図柄に向きます。Tシャツに直接刷るインクジェットは、業界では DTG(Direct to Garment)とも呼ばれます。

preTTy の自動見積もりでインクジェットを使うのは「フルカラー」です。方式ページでは「CMYK(4色)で印刷する」「インクジェット方式」と説明し、白・淡色のボディ向けとしています。方式ページには、生地に直接刷るのか転写するのかといった工程までは書かれていません。この記事の仕組みや前処理の説明はメーカーが示す業界一般の内容で、preTTy のフルカラーの工程を説明したものではありません。

インクと前処理 — メーカーの説明から

ブラザーのガーメントプリンター GTX pro は、水性顔料インクと前処理剤を使う構成で、白インク専用のプリントヘッドを持ち、白とカラーを1回のヘッド走査で同時に刷れるとしています(GTX pro 製品ページ)。同社の解説では、前処理は白インクを使って刷るときの工程で、白インクを使わない場合は不要とされています。濃い色のTシャツは下地に白を刷らないと色が沈むため、濃色ほど工程が増えます。

preTTy のフルカラーについて、方式ページは「濃色生地では色がくすむ」「淡色生地限定」とし、濃い色のボディには DTF(濃色向け) を勧めています。黒やネイビーに写真を刷りたい場合は、最初からDTF濃色(+1,100円/ヶ所)で見積もると手戻りがありません。

ボディ選び — 商品ページの「加工対応」を見る

インクジェットで刷れるかどうかは、図柄より先にボディの素材で決まります。preTTy の商品ページには、メーカーが示す加工対応が型番ごとに載っています。綿のTシャツは「インクジェット(DTG)」に対応と書かれている一方、ポリエステルのドライTシャツには対応していないと明記された型番があります。下の表の金額は、自動見積もりでフルカラー1ヶ所・胸ワンポイントを選んだときの1枚あたりの実額です(税込・送料別)。

型番素材・厚み商品ページの加工対応フルカラー 10枚フルカラー 100枚
00083-BBT綿100%・4.0ozシルク印刷・転写・刺繍・インクジェット(DTG)1,752円1,647円
00085-CVT綿100%・5.6oz(杢グレー・アッシュは混紡)シルク印刷・転写・刺繍・インクジェット(DTG)1,983円1,673円
00087-OET綿100%・5.9ozシルク印刷・転写・刺繍・インクジェット(DTG)2,076円1,766円
00148-HVT綿100%・7.4oz(杢グレーは混紡)シルク印刷・転写・刺繍・インクジェット(DTG)2,528円2,218円
00300-ACTポリエステル100%・4.4oz メッシュシルク印刷・転写・刺繍(DTG不可)——
00350-AITポリエステル100%・3.5ozシルク印刷・転写・刺繍(DTG不可)——

00300-ACT の商品ページは、ポリエステルメッシュ素材のためインクジェットのプリントには対応していないとし、シルクスクリーン・転写・刺繍を案内しています。こうしたボディに写真やグラデーションを入れたいときは、方式ページで対応素材に「淡色ポリ」を挙げている DTF(淡色向き) で見積もってください。

綿のボディでも色によって注意があります。00085-CVT の商品ページは、杢グレー(綿80%/ポリ20%)とアッシュ(綿95%/ポリ5%)について、ポリエステル混紡のため、高温で加工したときにブリード(昇華移染:生地の染料がプリントに移って色が変わる現象)が起きる可能性があるとしています。00148-HVT の商品ページも、杢グレー(綿80%/ポリ20%)に同じ注意を載せています。また 00083-BBT は薄手のため、裏側にインクが染みやすい場合があると書かれています。

枚数を増やすと単価は下がるか

「インクジェットは1枚ずつ刷るので、枚数を増やしても安くならない」と言われることがあります。preTTy の料金では、フルカラーの加算は1ヶ所330円の定額で、数量割引はボディとプリント代の側で効きます。00083-BBT・胸ワンポイントで普通色と並べると、フルカラーも同じ幅で下がり、差は常に330円です。

枚数フルカラー普通色(1色)差
10枚1,752円1,422円330円
30枚1,647円1,317円330円
300枚1,592円1,262円330円
1,000枚1,552円1,222円330円

このボディは30枚から100枚まで1,647円のまま動きません。白地924円のボディは数量割引が1枚205円で頭打ちになり、200枚から再び下がる仕組みのためで、インクジェットだから下がらないわけではありません。単色で表せる図柄なら、普通色にするだけで1ヶ所につき330円安くなります。フルカラー30枚の実額を確認する

得意な図柄と苦手な図柄

方式ページがフルカラーの強みに挙げているのは「写真・イラストをそのまま印刷」「グラデーションや複雑な色も再現」「色数制限なし」の3つです。弱みとしては、濃色生地で色がくすむこと、超ベタ面(広い面を1色で塗りつぶした図柄)はラバー(普通色)のほうが発色の良い場合があることを挙げています。ロゴや文字だけの図柄なら普通色、写真や水彩のようなにじみのある図柄ならフルカラー、と図柄の性質で分けるのが基本です。

細い線や小さい文字が多い図柄は、方式ページで「細い線や小さい文字も綺麗に再現」とされているDTF(淡色向き)も候補になります。こちらは加算が+880円/ヶ所です。

入稿データの条件

入稿データガイド では、解像度は実際に刷る大きさで300dpi以上、カラーモードはCMYK推奨(RGBも対応可)、PNGは透過データのまま入稿できるとしています。Web用の画像は72dpiを前提にしたものが多く、そのまま大きく刷ると粗くなります。胸ワンポイント(縦横10cm以内)なら、300dpiで約1,181ピクセル四方あれば足ります。写真を使うときの注意は 写真プリントのコツ にまとめています。

洗濯と色持ち

洗濯を重ねると少しずつ退色し、どの程度で目立つかはインク・前処理・洗い方で変わります。この記事の洗濯やインクの説明は業界一般の話で、preTTy のフルカラーの試験値ではありません。裏返して洗う、漂白剤を使わない、直射日光を避けて干すといった基本は プリントTシャツの洗い方 にまとめています。

こんな時に選ぶ・選ばない

インクジェット(preTTy ではフルカラー)が向くのは、写真入りの記念Tシャツ、多色のイラスト、グラデーションのあるロゴを、白や淡色の綿Tシャツで作るときです。preTTy の最小ロットは10枚なので、10〜30枚程度の少人数の記念品にも使えます。反対に、次の場合は別の方式を選びます。

  • 黒・ネイビーなど濃い色のボディに刷る → DTF(濃色向け)
  • 商品ページで対応外とされているポリエステルのボディ → DTF(淡色向き)
  • 1色のロゴや文字だけの図柄 → 普通色(1ヶ所330円安い)

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