箱を開けたら酢のようなにおいがする。胸のロゴのまわりに四角い跡がある。白で刷ったはずの文字が、うっすら赤い——。届いたオリジナルTシャツに気になるところを見つけたとき、知りたいのは「不良なのか」「洗えば直るのか」「連絡するなら、いつまでに何を送ればいいのか」の3つだと思います。におい・毛羽立ち・にじみ・黄ばみ・しわ・圧着跡・色ムラ・剥がれの8つの症状について、この3つに答える表を作りました。
洗う前に、3つだけ済ませる
- 写真を撮る。洗うと、におい・跡・汚れは消えたり変わったりします。届いた時点からあったのか、洗ったあとに出たのかは後から見分けにくいので、全体と気になる部分を洗う前に撮ります。
- 何枚に出ているか数える。1枚だけか、全部か。配る前に数えます。配ったあとは、着たことによる変化と区別がつきにくくなります。
- 期限を確かめる。preTTy の返品・交換の条件では、プリントのかすれ・ズレとご注文と異なる商品は到着後7日以内、配送中の破損は到着後3日以内のご連絡です。品質保証制度では、到着後7日以内なら、検品で見つけられなかった不良もご連絡をいただければ対応するとしています。
8つの症状の見分け表
2列目は、方式の仕組みとメーカーなどの公開資料から見た一般的な傾向で、お手元の1枚の原因を決めるものではありません。どれに当たるか迷うときは、洗う前の写真を送ってご相談ください。
| 症状 | 起きやすい方式・工程 | 自分でできること | preTTy に連絡すべきか |
|---|---|---|---|
| におい | プリントの工程で使う薬剤。インクジェットの前処理剤は、湿気の多い時期に酢のようなにおいが残る場合があると案内するプリント会社もある | 袋から出して風通しのよい日陰に置く。着る前に、裏返してネットに入れ、洗濯表示どおりに一度洗う | 返品・交換の表に当たる区分はない。洗っても強いにおいが残るなら、到着後7日以内に相談 |
| 毛羽立ち | 生地の糸。綿は短い繊維を取り除いたコーマ糸で毛羽立ちを軽減できるとメーカーが説明している。繊維が引っかかって表面に飛び出す「スナッグ」に注意を促すメーカーもある | 裏返してネットに入れて洗い、ファスナーやマジックテープの付いた衣類と分ける | 届いた時点でプリント面に糸くずがある・インクが乗っていない部分がある → 7日以内に写真。洗濯を重ねてからのものは区分外 |
| にじみ | 薄い生地ではインクの裏抜け、表面がやや粗い生地では極細線や細かいグラデーションの再現性の低下が起きることがある(当店の商品ページの注意書き)。プリントが生地の色に染まるのは「ブリード(昇華移染)」で、ポリエステルの染料が熱で気化して淡い色のインクに移る | ブリードは熱で起きるので、乾燥機とプリント面へのアイロンを避ける | 届いた時点のにじみ → 7日以内に写真。乾燥機やアイロンのあとに出たものは区分外 |
| 黄ばみ | 保管。落としきれなかった皮脂などの汚れが酸化する場合と、ポリ袋やウレタンに含まれる酸化防止剤が空気中の窒素酸化物と反応して、白・淡色に鮮やかなレモンイエローが出る場合がある | 皮脂の黄ばみは、しまう前に汚れを落としきって防ぐ。酸化防止剤による黄変は、晴れた日に2〜3時間日光に当てると消えるのが見分け方の1つ | 届いた時点の黄ばみ・シミは検品項目の「ボディの汚れ」→ 7日以内に写真。保管のあとに出たものは区分外 |
| しわ | 梱包。宅配便のダンボール箱で届き、1枚ずつたたんで個別の袋に入れる「個別たたみ袋詰め」(無料)も選べる(配送ページ)。たたんで詰めるので、たたみじわが付いていることがある | 裏返してあて布をし、タグの点の数が示す温度の上限以下でアイロン。プリント面には直接当てない | 連絡は不要。破れや汚れがあれば7日以内に写真 |
| 圧着跡(四角い跡・テカリ) | 熱と圧をかける工程。DTF は熱で転写する方式で、インクジェットでも定着にヒートプレスを使う機種がある。ポリエステルは高温で縮むことがある | 写真を撮ってから、1枚だけ洗って様子を見る(残りは洗わずに置いておく) | 洗っても消えない跡・変色・縮みは、7日以内に写真で相談 |
| 色ムラ | ベタ面のインクのムラ。生地の側では、オープンエンド糸の生地や杢の色は、もともと濃淡のある表情に作られている | 画面のデザインと見比べるときは、窓際の自然光で見る | ベタ面のムラ・かすれ → 7日以内に写真。画面で見た色との差(イメージ違い)は、返品・交換をお受けできない区分 |
| 剥がれ・ひび割れ | インクを生地にのせて膜を作る方式(普通色・ラメ)と、フィルムに刷った柄を熱で生地に転写する方式(DTF)。刺繍は剥がれではなく糸の引っかかりに注意 | 裏返してネットで洗う。乾燥機を使わず、プリント面に直接アイロンを当てない | 届いた時点の欠け・浮き → 7日以内に写真。洗濯を重ねてからのものは区分外 |
「区分外」は、返品・交換の表のどの区分にも当たらないという意味です。洗濯や保管のあとに出るものは到着後7日の期限も過ぎていることが多く、プリント別の洗い方としまい方で防ぐ側の話になります。
分かれ目は「届いた時点からあったか」と「熱がかかったか」
表を縦に見ると、判断の分かれ目は2つです。
1つ目は届いた時点からあったか。preTTy はプリント後に全数を1枚ずつ目視で検品していて、基準は「プリント位置のズレ(上下左右±5mm以内)」「インクかすれ・ムラ・異物混入」「ボディの汚れ・破れ・縫製不良」「刺繍の糸ほつれ・糸色違い」「カラー/サイズの指定通りかの最終照合」の5項目です。届いた時点のにじみ・ムラ・汚れ・欠けは、この基準に照らしてご連絡いただくものです。
2つ目は熱がかかったか。にじみのうちのブリード、圧着跡、縮みは、どれも熱で起きます。トムスの Printstar 2026年カタログは、ポリエステル繊維製品は高温での処理で生地の収縮やブリード現象が起きる可能性があるとして、熱加工には「低温(120℃以下)」を推奨し、ブリードを「生地の染料が昇華(固体が気体になること)し、淡色のインクを浸透し、プリントの表面に現れる現象」と説明しています。プリントの側では、DTF はフィルムに刷った柄を熱で生地に転写する方式で、インクジェットでも定着に熱を使う機種があります(ブラザー GTXはヒートプレスかコンベヤーオーブンでの定着を案内)。熱は家庭の乾燥機やアイロンでもかかるので、同じ症状でも「届いた時点からあったか」で扱いが分かれます。
熱に気をつけたいボディか、素材表示で見分ける
同じ型番でも、色によってポリエステルが入ります。注文した型番と色の素材で確かめてください。
| 素材 | 取扱いの例 | メーカーと当店の商品ページの注意 |
|---|---|---|
| ポリエステル100%(ドライ) | 00300-ACT・5900-01・5088-01・00341-ABB など | 高温の処理で縮みやブリードが起きる可能性があり、熱加工は120℃以下を推奨(Printstar)。00341-ABB のブラック・ロイヤルブルー・ターコイズ・ホットピンクは、高温の熱源が直接当たると変色する可能性がある(同) |
| 綿100%のうち、一部の色だけポリエステル入り | 00085-CVT の杢グレー(綿80%・ポリエステル20%)とアッシュ(綿95%・ポリエステル5%)、5001-01 のミックスグレー(綿90%・ポリエステル10%)など | 00085-CVT・00113-BCV・00148-HVT の商品ページに「ポリエステル混紡のため、高温加工時に昇華移染(ブリード)が発生する可能性」と記載 |
| ポリエステルを含まない色 | 00087-OET、00085-CVT のホワイトなど | 上の注意は当てはまらない。綿で気をつけたいのは、洗濯での縮みと毛羽立ち(次の節) |
色によってポリエステルが混ざる型番は、糸と混率の記事で型番ごとに並べています。
洗えば消えるもの、洗っても戻らないもの
「とりあえず洗ってみる」が合っているかどうかは、症状で違います。
- におい:インクジェットにお酢を原料とする前処理剤を使うプリント会社の ORIGIN は、前処理剤は乾燥で無臭になるものの「梅雨時期等湿度により若干、お酢の匂いが残る場合」があり、においは一度の洗濯で解消すると案内しています。ガーメントプリンターのメーカーのエプソンも、SC-F2250 の特長のページに「着用の前に、プリント面を裏返し、ネット洗いすることをおすすめします」と注記しています。
- プレス跡:同じ ORIGIN は、しわや毛羽立ちを防ぐために作業前にプレスをすることがあり、その跡も一度の洗濯で解消すると書いています。一方、ポリエステルが熱で縮んだり変色したりしたものが洗って戻るかは、Printstar のカタログには書かれていません。表で「1枚だけ洗って様子を見る」としているのはこのためで、残りを洗わずに置いておけば、消えなかったときに届いたままの状態を写真で送れます。
- 黄ばみ:東京都クリーニング生活衛生同業組合は、黄ばみを「衣服に付着している汚れと酸素が化学反応を起こして変色」するものとし、原因は「汚れを落とし切れていない」ことだと説明しています。これとは別に、東京都立産業技術研究センターは、ウレタンフォーム・ハンガー・ポリ袋などに含まれる酸化防止剤(代表的なものは BHT)が空気中の窒素酸化物と反応して、白や淡色の製品に鮮やかなレモンイエローの黄変を起こす例を挙げ、「晴天時に2から3時間、日光に暴露すると、黄色が消失する」ことを見分け方の1つにしています。当店は普通色のプリントに「裏返して洗濯・陰干し」をおすすめしているので(普通色のページ)、試すならTシャツを裏返し、プリント面を内側にしてください。
- 毛羽立ち:洗うほど増える側の症状です。United Athle は 5942-01 の公式ページで「洗濯を重ねると生地が毛羽立つ原因は、実は”糸”にあります」とし、カード糸から短い繊維を取り除いたコーマ糸で毛羽立ちを軽減すると説明しています。Printstar のカタログは、繊維が引っかかって生地の表面に飛び出し、ループ状やピル状になる「スナッグ現象」について、丁寧な取り扱いを求めています。
- ブリード(色移り):熱でインクに移った染料を家庭で戻す方法は、確かめた資料にはありませんでした。ポリエステルの入ったTシャツは乾燥機にかけず、プリント面にアイロンを当てないことで防ぎます。
不良ではなく、生地や方式の持ち味として書かれているもの
次のものは、メーカーや当店の方式ページが特徴として説明しているものです。注文の前に知っておくと、届いたときに慌てずに済みます。
- オープンエンド糸の生地のムラ:トムスは 00087-OET を「空気の力で撚り合わせた糸は自然なムラ感としっかりとした厚みを持ち」と紹介しています。当店の商品ページでも、洗濯を重ねるほど柔らかくなって風合いが変わるのは糸の特性で、品質不良ではないと書いています。
- プリント面の膜感・シート感:普通色(ラバー)は「プリント部分には薄い膜感」があり、DTF(淡色向け)は「プリント面に薄いシート感が出ることがあります」。濃色向けの DTF は白インクを下地に使うぶんインク層が厚く、質感はやや硬めです(プリント方法の比較)。
- 厚手の綿の縮み:00148-HVT(7.4oz)は、初回の洗濯で若干縮む場合があると商品ページで案内し、気になる場合はワンサイズ上を勧めています。
- 画面で見た色との差:モニターの色とインクの色は表し方が違うため、ずれが出ることがあります。返品・交換の表では「イメージと違う(感覚差)」はお受けできない区分です。ずれがどの工程で生まれるかは、色ブレのモデルケース(架空)で順にたどっています。
連絡するときに撮る写真
症状によって、伝わる撮り方が違います。
- にじみ・色ムラ・剥がれ:真上から全体を1枚、気になる部分に近づけて1枚。定規を当てると大きさが伝わります。
- プリントの位置:襟ぐりの縫い目からプリントの上端までを定規で測って写します。検品基準は上下左右±5mm以内です。
- 圧着跡・テカリ:真上からは写りにくいので、光が斜めに当たる向きで撮ります。
- 黄ばみ・シミ:白い紙を横に置くと、色の差が伝わりやすくなります。
- におい:写真には写らないので、気づいた日・洗ったかどうか・何枚に出ているかを文章で添えます。
注文番号、希望する対応(再製作か返金か)、使う予定の日の伝え方と、連絡から再発送までの流れは不良品が届いたときの対応手順にまとめています。ご連絡は LINE かお電話で受け付けています。
確認した資料(2026年9月26日取得)
- トムス株式会社「Printstar & glimmer 2026カタログ」電子版 24/134ページ(商品に関するご注意)・30/134ページ(00087-OET)
- United Athle(キャブ株式会社)5942-01 公式ページ
- ブラザー工業 ガーメントプリンター GTX(定着条件・前処理)
- エプソン SC-F2250 特長
- ORIGIN Tシャツの取扱いについて
- 東京都立産業技術研究センター 酸化防止剤と窒素酸化物の複合作用による黄変
- 東京都クリーニング生活衛生同業組合 ナゼ衣類が黄ばむのか?
preTTy の対応の条件と期限は、返品・交換と品質保証制度のページの記載が正です。この記事と食い違う場合は、そちらを優先してください。