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Tシャツプリントの版代とは?相場・かからない場合・「版代無料」の落とし穴を総額で解説

版代とは何か、見積書での費目の読み分け、「版代無料」の3つの正体までを解説。preTTyは版代という費目自体がない料金体系ですが、30枚実測では普通色1,317円/枚に対し版不要のDTFは2,197円/枚。初期費用の有無と総額の安さは別物である理由を実額で示します。

執筆・監修: preTTy 編集部(オリジナルウェア制作 1994年〜・累計30万着以上の製作実績/板橋区の自社工房でシルクスクリーン・DTF・刺繍・カッティングに対応)

「版代」とは何か──プリント代ではなく“道具を作る費用”

版代とは、一般にシルクスクリーン印刷で使う「版」を製作するための費用のことです。版は、メッシュ状のスクリーンにデザインの形を焼き付けた印刷用の道具で、ここからインクを押し出してTシャツに刷ります。ポイントは、版が「1色につき1枚」必要だという点。2色デザインなら版は2枚、3色なら3枚で、一般に版代は1版ごとに数千円台を目安とする業者が多いため、色数が増えるほど初期費用として積み上がります。

つまり版代は、インクや刷る作業の代金ではなく、刷る前の準備工程(製版)にかかる費用です。同じ版を使い回せる大量プリントでは1枚あたりの負担が薄まり、少量では重くのしかかる──「版代がある業者は大ロット向き」「版代無料は小ロット向き」と言われる理由も、増刷時に「版の保管」が話題になる理由も、すべてこの一点から派生しています。

なお「版代の相場はいくら」と一概に言い切れないのは、版のサイズ(プリント面積)や色数、業者の設備によって製作の手間が変わるからです。相場の数字を探して業者を絞り込むより、この記事の後半で説明するとおり、版代を按分して「自分の枚数での総額」に直して比べるほうが早く、確実です。

見積書のどこに現れる?──「製版代」「版下代」「再版代」の読み分け

相見積もりを取ると、業者によって費目の名前がバラバラなことに気づきます。一般的な使われ方は次のとおりですが、厳密な定義は業者ごとに違うので、見積書に載っていたら「これは何の作業の代金ですか」と直接確認するのがいちばん確実です。

費目名(一般例)指していることが多い内容
版代・製版代版そのものの製作費。1色1版で色数分かかるのが一般的
版下代・データ作成費入稿データを印刷用に整える作業費として計上する業者がある
再版代・リピート版代保管期限切れなどで版を作り直すときの費用
型代(刺繍)刺繍は版ではなく縫いのデータを作る工程があり、その費用をこう呼ぶ業者がある

※この表は業界一般の用語整理であり、当社preTTyの費目ではありません。当社の料金構成は後述のとおり、そもそもこれらの行が見積もりに現れません。

版が要る方式・要らない方式

一般論として、シルクスクリーンは版が必要、インクジェットやDTF(転写フィルム)はデータから直接出力するため版が不要、刺繍は版の代わりに縫いデータを用意する、という整理になります。「版代がかかるか」は、デザインや枚数の前にまずプリント方式で決まるわけです。

両者はコスト構造が対照的です。版方式は準備(製版)に費用がかかる代わりに、一度版ができれば1枚あたりの印刷コストが小さく、枚数が増えるほど有利になります。データ直接方式は準備費ゼロの代わりに、1枚ごとにフィルムやインクの実費がかかるため、枚数が増えても単価があまり下がりません。「版代がかかる方式のほうが大ロットでは安くつく」という一見逆説的な現象は、この構造の違いから生まれます。

当社preTTyでは、この方式の違いは初期費用ではなく1枚あたりの追加料金(プリント1ヶ所につき)として現れます。実際の加算額は次のとおりです(普通色は単色デザインが対象)。

プリント方式追加料金(1ヶ所あたり)
普通色(単色)+0円
金銀ラメ(小粒)+220円
フルカラー/ラメ(大粒)各+330円
刺繍ワンポイント+780円
DTF(淡色ボディ)+880円
DTF(濃色ボディ)+1,100円

方式ごとの仕上がりの違いはプリント方法一覧で、シルクスクリーンとDTFの使い分けは30枚がコスト切替ラインになる理由で詳しく解説しています。

preTTyの見積もりに「版代」の行がない理由

当社の見積もりは「ウェア本体価格+プリント方式の追加料金+プリントサイズ・位置の料金+送料(都道府県別の実額)」で構成されていて、版代・製版代・データ作成費という費目自体が存在しません。キャンペーンで一時的に0円にしているのではなく、料金体系にその行がないため、初回でも増刷でも、10枚でも1,000枚でも現れません(自動見積もりは10枚〜1,000枚、それを超える規模は個別相談です)。

目安として、普通色1色・胸ワンポイント1ヶ所なら、10枚で1枚あたり1,422円、30枚で1,317円、100枚で1,236円と段階的に下がり、1,000枚の1,046円で下限に達します(各枚数でその時点の最安白地クラスを選んだ場合。値引き上限の関係で40枚を境に最安ボディが入れ替わります)(いずれも税込・送料別)。この値引きは「◯%OFF」の定率ではなく1枚あたりの定額値引きなので、按分計算をはさまず、そのまま他社見積もりの実質単価と並べられます。

ここで大事な注意をひとつ。「リピートすると版代が無料になりますか?」と聞かれることがありますが、当社ではこの質問自体が成立しません。もともと存在しない費目は、無料に「なる」ことができないからです。逆に言えば、「リピートで版代無料」をうたう業者の見積もりを読むときは、初回の見積もりに版代がいくら入っていたのかを確認する意味がある、ということでもあります。

「版代無料」の3つの正体

広告でよく見る「版代無料」には、一般に3つのパターンがあります。

  1. 費目が体系にない──版を使わない方式(DTF・インクジェット等)が標準、または当社のように費目自体を設けていないケース。
  2. キャンペーンで0円──期間や条件付きで版代を免除しているケース。期限と対象条件の確認が必要です。
  3. 1枚単価に織り込み済み──費目としては見えないが、その分単価が高めに設定されているケース。

3つ目を見抜く道具は割り算だけです。版代がある見積もりは「実質1枚単価 = 表示単価 + 版代の合計 ÷ 枚数」に直してから比べます。仮に3色デザインで版代が1版3,000円・合計9,000円だとすると(※仮定の計算例であり当社の料金ではありません)、上乗せは10枚なら+900円/枚、30枚なら+300円/枚、100枚なら+90円/枚。同じ見積もりでも、あなたの枚数によって「高い/安い」の結論が変わるのが版代モデルの本質です。

逆に、見積書に版代の行が見当たらないときに使える確認フレーズはこれです──「この単価に製版やデータ作成の費用は含まれていますか? 初回と増刷で単価は変わりますか?」。この2問で、上の3パターンのどれなのかがほぼ判別できます。

落とし穴:版代がなくても総額は逆転する

では「版代無料の方式を選べば安い」かというと、そうはなりません。版が要らない方式は、その代わりに1枚あたりの加工コストが高いからです。当社の自動見積もりでの実測がこちらです(30枚・最安クラスの白地Tシャツ=ウェア単体924円・胸ワンポイント1ヶ所・税込・送料別)。

方式1枚あたり30枚の本体合計
普通色1色1,317円39,510円
DTF淡色(版が不要な転写方式)2,197円65,910円
DTF濃色2,417円72,510円

どちらも「版代0円」なのに、30枚の総額差は普通色とDTF淡色で26,400円。つまり「版代の有無」は初期費用の話であって、総額の安さを保証する言葉ではありません。写真やグラデーションを刷りたいならDTFを選ぶ価値は十分ありますが、それは仕上がりで選ぶ判断であって、「版代無料だからお得」という判断ではないのです。

また、多色や写真のデザインで普通色(単色)が使えない場合も、いきなりDTFと決める前に中間の選択肢があります。フルカラー(インクジェット・+330円/ヶ所)なら同じ条件の30枚で1枚1,647円・合計49,410円と、DTF淡色より16,500円抑えられます。自分のデザイン(単色かフルカラーか)で30枚の総額を出してみると、この差が自分の場合いくらになるかが1画面で確認できます。どの方式が使えるかはデザインの内容や生地色にもよるため、迷ったら方式ごとの金額を並べて確認するのが確実です。

増刷と「版の保管」──発注前に聞いておく3つの質問

版代モデルの業者では、一般に作った版を一定期間保管し、期間内の増刷なら版代なし・期限を過ぎると再版代、という運用が見られます。トラブルになりやすいのはここなので、初回発注の前に次の3つを聞いておくと安心です。

  • 版の保管期限はいつまでか(保管料の有無も)
  • 期限を過ぎた場合の再版代はいくらか
  • 増刷の最小枚数は何枚からか

当社の場合は版ではなくデザインデータを保管しているため、増刷時も版代・再版代という費目は発生せず、追加のご注文も10枚から承ります。ひとつ知っておくと得なのは、枚数割引が「1回のご注文の枚数」で決まる点です。たとえば普通色1色・胸ワンポイントなら30枚で1枚1,317円、10枚では1,422円(税込・送料別)なので、追加が最初から見えているなら初回にまとめたほうが1枚あたりは下がります。文化祭の追加分や、翌年の同デザイン再製作のような場面では、増刷10枚ぶんの1枚単価を確認してそのままご相談いただけます。

よくある質問

リピート注文のとき、版代は無料になりますか?

preTTyには版代という費目がもともと存在しないため、初回・リピートを問わず版代は発生しません。「無料になる」のではなく「最初からない」が正確な答えです。増刷はデザインデータを保管しているのでスムーズで、追加注文は10枚から可能です。

版代がかからないなら、見積もりには何が含まれますか?

ウェア本体価格、プリント方式の追加料金(普通色1色は+0円、フルカラー+330円、DTF+880〜1,100円、刺繍ワンポイント+780円/各1ヶ所)、プリントサイズ・位置の料金、都道府県別の送料で構成されます(XXL以上の大きいサイズのみ1枚+100〜200円の追加があります)。納期は標準5〜7営業日で、特急仕上げ(3〜4営業日)を選んだ場合のみ+500円/枚が加わります。クーポンはLINE友だち登録の500円OFFと、ご紹介の1,000円OFF(3万円以上のご注文)の2種のみです。

「版代無料」の業者を選べば、総額もいちばん安くなりますか?

限りません。版が不要な方式は1枚あたりの加工費が高い傾向があり、当社実測でも30枚時に普通色1色1,317円/枚に対しDTF淡色は2,197円/枚と、どちらも版代0円のまま総額で26,400円の差が出ます。比較は必ず「自分の枚数での総額」で行ってください。なお、同じウェア・同じプリント条件で他社のほうが安い場合は、お見積もりをお見せいただければ同額以下でご提供する価格保証があります。

他社で「版の保管期限が切れた」と言われました。再版代を払って作り直すべきですか?

一般には、(1)その業者の再版代を含めた増刷総額、(2)版を使わない方式(DTF等)に切り替えた場合の総額、(3)別業者で新規に見積もった総額、の3つを並べて比べるのが確実です。元のデザインデータが手元にあれば選択肢は広がります。当社なら10枚〜1,000枚の範囲を自動見積もりで総額まで確認できます。

版代は“工程の名前”であって、“安さの証明”ではない

版代とは製版という準備工程の対価であり、あるかないかは各社の料金体系の設計の違いにすぎません。だから発注判断の物差しにすべきは「版代の有無」ではなく、版代を按分に直し、送料まで含めた、自分の枚数での総額です。当社は1994年創業・累計約30万着の製作で、この費目を最初から持たない料金体系を続けてきました。見積書の版代の行に迷ったら、この記事の読み分け表と3つの質問を持って、総額の土俵で比べてみてください。

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