刺繍の加算は「1ヶ所780円」— DTFより安い
「刺繍は高い」は業界の常識として語られますが、preTTy の料金表ではそうなりません。見積もりエンジンが持っている方式別の加算額(ウェア本体・プリントサイズ料金とは別に、1ヶ所あたりに乗る金額)は次のとおりです。
| 加工方法 | 1ヶ所あたりの加算 |
|---|---|
| 普通色(単色のみ)1色 | +0円 |
| 金銀ラメ | +220円 |
| 大粒ラメ | +330円 |
| フルカラー | +330円 |
| 刺繍ワンポイント | +780円 |
| DTF(淡色ボディ) | +880円 |
| DTF(濃色ボディ) | +1,100円 |
刺繍はフルカラーより450円高いものの、DTFより安い側にいます。黒Tシャツにフルカラーのロゴを入れる(DTF濃色)なら1ヶ所1,100円なので、刺繍のほうが320円安く上がります。
30枚で並べた実額
5.6oz スタンダードTシャツ(00085-CVT)に胸ワンポイント1ヶ所を入れた場合の、自動見積もりの実額です(東京都・税込・送料別)。
| 加工方法 | 10枚 | 30枚 | 100枚 | 30枚の総額 |
|---|---|---|---|---|
| 普通色1色 | 1,653円 | 1,453円 | 1,343円 | 44,710円 |
| 金銀ラメ | 1,873円 | 1,673円 | 1,563円 | 51,310円 |
| フルカラー | 1,983円 | 1,783円 | 1,673円 | 54,610円 |
| 刺繍ワンポイント | 2,433円 | 2,233円 | 2,123円 | 68,110円 |
| DTF(淡色) | 2,533円 | 2,333円 | 2,223円 | 71,110円 |
| DTF(濃色) | 2,753円 | 2,553円 | 2,443円 | 77,710円 |
普通色との差は30枚で23,400円。これが「立体感」に払う金額の実額です。一方で DTF濃色を選ぶと33,000円差になるので、「フルカラーは要らないがブランド感がほしい」案件では刺繍のほうが安いという順番になります。
初期費用の差は出ない — 版代もデータ化費もかからない
一般的な刺繍の見積もりでは「刺繍データ化費」として初期費用が別途かかり、業界の目安は3,000円前後です。シルクスクリーンの版代(同じく業界一般の費目で目安5,000円前後)も同様です。preTTy の見積もりには版代・データ化費という費目そのものが存在しません。上の表に出ている金額のほかにかかるのは、サイズ追加料金(XXL +100円/4L +150円/5L +200円)、特急仕上げ(+500円/枚)、都道府県別の送料だけです。
そのため「初期費用が重いから刺繍は小ロットに向かない」という一般論も、当社では当てはまりません。10枚でも刺繍ワンポイント1ヶ所で1枚2,433円から作れます。版代という費目の考え方は 版代の解説記事 にまとめています。
本当の違いは納期 — 刺繍だけ別体系
金額より効くのがここです。preTTy の標準納期は5〜7営業日、特急仕上げ(+500円/枚)で3〜4営業日ですが、これはプリント方式の場合の話です。刺繍は1枚ずつ刺繍機にかける工程が入るため、方式別の目安が7〜10営業日で、特急対応ができません。
つまり「使用日まで1週間」という案件では、刺繍は選択肢から外れます。イベント日が決まっている場合は、先に納期で刺繍が使えるかを判定し、使えない場合は普通色かフルカラーのプリントで立体感の代わりを作る(濃色ボディに白の細線ロゴ、など)という順番で考えるのが現実的です。
ボディとの相性 — 商品スペックの「加工対応」で確認できる
当社の商品ページには型番ごとに「加工対応」欄があります。これはその生地が受けられる工程をメーカーカタログから転記したもので、記載を集計すると2パターンに分かれます。
- シルク印刷・転写・刺繍・インクジェット(DTG) — 綿100%系。00085-CVT / 00103-CBT / 00113-BCV / 00148-HVT / 00147-BHV など
- シルク印刷・転写・刺繍(DTG不可) — ポリエステル100%のドライ系。00335-ALP / 00314-ABL / 00313-ABN などのドライポロ、00350-AIT / 00353-AIN など
注目すべきは、どちらのパターンでも刺繍が入っていることです。生地の制約を受けるのはインクジェット(DTG)だけで、ドライ素材でも刺繍は問題なく載ります。ドライポロにロゴを入れる企業ユニフォームの案件で刺繍が最初から使えるのはこのためです。なおDTGはpreTTy の提供メニューには含まれていません(当社の自動見積もりで選べるのは普通色・金銀ラメ・大粒ラメ・フルカラー・DTF明色・DTF濃色・刺繍ワンポイントの7方式)。フルカラーの写真調プリントは転写(DTF)で承っており、こちらはドライ素材にも対応できます。
ただし刺繍には生地の厚みが要ります。薄い生地は縫い目で引きつれが出やすいため、当社の刺繍ページでもポロシャツ・キャップ・厚手の綿を推奨、パーカー・ジャケットは対応可としています。3.5〜4.0oz の薄手Tシャツに大きめの刺繍を入れる構成は避けたほうが安全です。
アイテム別の刺繍実額
刺繍がいちばん映えるのはポロシャツとキャップです。30枚・刺繍1ヶ所での実額を並べます(東京都・税込・送料別)。
| アイテム | 普通色1色 | 刺繍ワンポイント | 差 |
|---|---|---|---|
| 00085-CVT 5.6oz スタンダードTシャツ | 1,453円 | 2,233円 | +780円 |
| 00330-AVP 4.4oz ドライポロシャツ(ポケット付き) | 1,746円 | 2,526円 | +780円 |
| 00141-NVP 5.8oz T/Cポロシャツ | 1,946円 | 2,726円 | +780円 |
| メッシュキャップ(30個・刺繍1ヶ所) | 922円 | 1,702円 | +780円 |
差額はどのアイテムでも一律780円です。つまり本体が安いアイテムほど、刺繍の割高感は相対的に大きくなります。キャップのように本体900円台のアイテムでは刺繍で価格が約1.8倍になるのに対し、ポロシャツでは1.4倍に収まります。刺繍を選ぶなら、本体単価がある程度あるアイテムのほうが費用対効果は合います。なおキャップ・バッグはプリント位置が「特殊位置(+400円/箇所)」に固定されます。キャップ全体の作り方は オリジナルキャップの作り方 に詳しく書いています。
組み合わせるときの実額 — 胸に刺繍・背面にプリント
「胸元は刺繍ロゴ、背面は大きなプリント」という構成も1回の注文で組めます。00085-CVT・30枚・胸ワンポイント(刺繍)+背面A4(普通色1色)だと1枚3,131円(総額95,050円・税込送料別)。同じ構成を胸も背面も普通色にすると1枚2,351円なので、胸を刺繍に替える差は780円で変わりません。方式は位置ごとに選べるので、「目立たせたい面はプリント、名入れは刺繍」という配分が組めます。位置ごとの料金は プリント位置12プリセットの料金マップ で確認できます。
デザインの向き不向き
- 刺繍が得意 — ロゴマーク、チーム名、イニシャル、シンプルな図形。糸で面を作るため、輪郭がはっきりしたデザインほど再現性が上がります。
- 刺繍が苦手 — 写真、グラデーション、細すぎる線。糸の太さより細い線は再現できず、面積が大きくなるほど工程が重くなります。
- プリントが得意 — フルカラーイラスト、写真、細密な文字、階調表現。DTFなら濃色ボディにも白や明るい色が乗ります。
写真を使いたい場合は刺繍では不可能なので、写真プリントの作り方 に進んでください。方式全体の比較は プリント方法比較 にまとめています。
よくある質問
刺繍とプリント、どちらが長持ちしますか?
刺繍は糸を縫い込むためインクの剥離という劣化の仕方をしません。プリントは方式ごとにインクの定着の仕方が違い、洗濯や摩擦の条件で差が出ます。ただし「何回の洗濯まで耐える」という数値は、洗い方・乾かし方・生地で大きく変わるため、当社では具体的な回数を保証していません。長く着るユニフォームや制服用途であれば刺繍が有利、という整理で判断してください。
刺繍は最低何枚からですか?
他の方式と同じく10枚からです。初期費用がかからないので、10枚・刺繍1ヶ所でも1枚2,433円(00085-CVT・東京都・税込送料別)から作れます。
刺繍で特急はできますか?
できません。特急仕上げ(+500円/枚・3〜4営業日)はプリント方式が対象で、刺繍は方式別の目安が7〜10営業日です。日程が厳しい案件は、刺繍を諦めるか、日程を動かすかの二択になります。
刺繍とプリントを同じ注文に混ぜられますか?
混ぜられます。自動見積もりでは加工方法を箇所数とセットで選べるので、胸に刺繍1ヶ所・背面に普通色1ヶ所という指定がそのまま1つの見積もりになります。方式を切り替えて差額を出すと、仕上がりの違いに払う金額がその場で分かります。