「Lだから大丈夫」が通販Tシャツ最大の落とし穴になる理由
試着できない通販でのオリジナルTシャツ作りで、いちばん多い失敗はデザインでも色でもなくサイズです。そして失敗の入口はほぼ決まっていて、「普段Lだから全員Lでいいよね」という判断です。
preTTyでは2026年7月、取り扱い商品のサイズ表を67商品分のサイズデータベースとして整備し(うち38商品は同月メーカー公式カタログと突き合わせて検証・転記)、各商品ページに掲載しました。このデータベースを横断集計すると、冒頭の判断がなぜ危険かが数字で見えます。
- 大人用「L」表記があり身幅が掲載されている商品は45商品(Tシャツ・長袖・ポロ・スウェット・パーカー。残りはキッズ・トート・キャップ・エプロン・スウェットパンツ等)
- その45商品の「L」の身幅は最小51cm〜最大63cm。同じL表記なのに12cm違う
- 身幅12cm差は、胴まわりに単純換算すると約24cm。同じ「L」の棚に「標準のM相当」から「XXL〜XXXL相当」までが並んでいる状態
つまり「L」はサイズの絶対値ではなく、型番ごとに意味が変わる相対的なラベルです。この記事では、横断集計でわかった分布と、型番別の実寸、注文前にできる照合手順までを一気にまとめます。なお、身長から入る一般的な選び方は身長別のサイズ選びガイドに譲り、本記事は「型番実寸の横断比較」に絞ります。
横断集計データ: 差が出るのは「縦」ではなく「横」
45商品の「L」行を重ねると、はっきりした偏りが見えます。
| 寸法(Lサイズ) | 最小 | 最大 | 差 |
|---|---|---|---|
| 身幅 | 51cm(3.5oz インターロックドライ長袖Tシャツ 00352-AIL) | 63cm(6.5oz ヘビーボックスTシャツ 1108-01) | 12cm |
| 身丈 | 70cm | 75cm | 5cm |
| 肩幅 | 45cm | 58cm | 13cm(ノースリーブ・ラグラン袖を除く) |
身丈は70〜75cmと5cmの幅に収まるのに対し、身幅は12cm、肩幅は13cm開きます。「サイズ感の違い」の正体は、着丈ではなくほぼ横幅の設計差ということです。半袖Tシャツだけに絞っても身幅は53〜63cmと10cm差があり、「Tシャツならどれも似たようなもの」は成立しません。
一方で分布には中心もあります。45商品のうち34商品(約76%)は身幅53〜55cmの2cm幅に集まっており、両端に散る11商品——細身側の2商品と、身幅56cm以上の9商品——が「いつものLのつもりが全然違った」を引き起こします。
サイズ設計は3タイプに分かれる(45商品の実寸分類)
L身幅で機械的に区切ると、当社取り扱い商品のサイズ設計は3タイプに分類できます。
タイプ1: 細身・ジャストフィット系(身幅51〜53cm・17商品)
3.5〜4.4ozのドライ系Tシャツ・長袖・ポロシャツが中心です。代表例は3.5oz インターロックドライ長袖Tシャツ(00352-AIL)のL=身丈71×身幅51×肩幅45cm。スポーツ用途で体に沿わせる前提の設計で、このタイプのLは、標準タイプのMとほぼ同寸です(後述)。なお10.0oz T/Cプルオーバーパーカー(00216-MLH)・T/Cジップパーカー(00217-MLZ)もL身幅53cmでこのタイプに入ります。生地が厚くてもシルエットは細身、という組み合わせが実在します。
タイプ2: 標準シルエット(身幅54〜56cm・22商品)
5.6oz スタンダードTシャツ(00085-CVT)や5.6oz コットンTシャツ(5001-01)など、定番コットン系の多くがここに入ります。L=身幅55cm前後・身丈74cm前後が「世間一般がイメージするL」の座標です。
タイプ3: ワイド設計(身幅58〜63cm・6商品)
2つの系統があります。ひとつは8.8〜10ozのスウェット・パーカー4商品(L身幅58cm)で、中にTシャツを着込む前提だから広い(同じパーカーでも、タイプ1のT/C系はL身幅53cmです)。もうひとつが5.6oz ビッグシルエットTシャツ(00113-BCV・L身幅61cm)と6.5oz ヘビーボックスTシャツ(1108-01・L身幅63cm)で、ゆとりをデザインとして着るための設計です。
注意したいのは、00085-CVTと00113-BCVが同じ5.6ozなのにL身幅が55cmと61cmで6cm違うこと。生地の厚さ(oz)とサイズ設計は独立した軸で、「厚い=大きい」ではありません。


主要型番のL実寸比較表(メーカー公式カタログ値)
迷いやすい代表7型番の「L」を並べます。数値はすべて各商品ページ掲載のサイズデータベース(メーカー公式カタログ値・2026年7月整備)からの転記、単位cm、平置き実寸です。
| 型番(商品) | 身丈 | 身幅 | 肩幅 | 展開サイズ数 |
|---|---|---|---|---|
| 00352-AIL(3.5oz インターロックドライ長袖Tシャツ) | 71 | 51 | 45 | SS〜3L(6) |
| 5088-01(4.7oz ドライシルキータッチTシャツ) | 71 | 54 | 47 | S〜XXXL(6) |
| 00085-CVT(5.6oz スタンダードTシャツ) | 74 | 55 | 50 | キッズ100〜XXXL(14) |
| 5001-01(5.6oz コットンTシャツ) | 73 | 55 | 50 | S〜XXXL(6) |
| 4500-01(6.0oz ヘビーTシャツ・オープンエンド) | 75 | 56 | 52 | S〜XXL(5) |
| 00113-BCV(5.6oz ビッグシルエットTシャツ) | 73 | 61 | 55 | S〜XL(4) |
| 1108-01(6.5oz ヘビーボックスTシャツ) | 72 | 63 | 58 | S〜XL(4) |
この表を横断で読むと、同じ「L」の互換関係が具体的にわかります。
- 1108-01のL(身幅63cm)は、00085-CVTのXXL(61cm)〜XXXL(64cm)に相当。5001-01ならXXL(63cm)と同幅
- 00352-AILのL(身幅51cm)は、5088-01のM(51cm)と同幅。細身タイプは「1サイズ上げてちょうど標準」
- 展開幅も型番で大きく違う。1108-01と00113-BCVは4サイズ展開、00085-CVTはキッズ100からXXXLまで14サイズ、4.1oz ドライアスレチックTシャツ(5900-01)はS〜6XL(6XLは身幅77cm)の9サイズ。体格差の大きいグループは、デザインより先に展開幅で型番を絞るのが安全です
注文前にできる「手持ち実測→照合」3ステップ
身長からの推定より確実なのが、手持ちのTシャツを1枚測る方法です。
- いちばん着ているTシャツを平置きにして身幅を測る——一般に身幅は「両脇の付け根の下を直線で結んだ長さ」です
- 作りたい型番のサイズ表で、その数値±2cmの行を探す——たとえば手持ちが53cmなら、00085-CVTはM(52cm)、5088-01はM(51cm)かL(54cm)、1108-01は最小のS(57cm)でも4cm大きい、と即断できます
- メーカー注記の誤差を織り込む——多くのメーカーカタログには製造工程により2〜3cm程度の誤差が生じる場合があると明記されています。境界線上なら用途で決める(動く用途はゆとり側、写真映え重視はジャスト側)
クラスTシャツやチームウェアの一括注文なら、この照合を「型番を決めてから」メンバーに聞くのが鉄則です。型番未定のまま「S/M/L」で集計すると、細身タイプに決まった瞬間に集計が全部ずれます。集計の実務はサイズ集計テンプレの記事にフォーム・Excel・紙の使い分けをまとめています。回収期間の目安に加えて、確定後は標準納期5〜7営業日を見込んでください。
サイズ混在の価格ルール: S〜XLは同額、XXLから1枚単位の定額加算
「大きめを混ぜると高くなる?」への答えは、自動見積もりの計算機そのままに書けます。preTTyの見積もりはS/M/L/XL/XXL/4L/5Lの7枠でサイズ内訳を入力でき、追加料金は次のとおりです。
| サイズ | 追加料金(1枚あたり) |
|---|---|
| S〜XL | 0円(同一価格) |
| XXL | +100円 |
| 4L | +150円 |
| 5L | +200円 |
実額で確認します。白地1,048円クラス・普通色(単色)1色・胸ワンポイント1箇所・30枚の本体合計は40,380円(税込・送料別)。このうち5枚をXXLに変えると40,880円で、差はちょうど+500円(100円×5枚)。XXL混在30枚の内訳で総額を試算すると、サイズ確定前でも予算の上限が固まります。割合ではなく1枚単位の定額なので、集計後に「XXLが何枚出ても」総額への影響を暗算できます。
よくある質問
サイズ表の「身幅」はどこの寸法ですか?
一般に、服を平らに置いて両脇の付け根の下を直線で結んだ長さです。胴まわり(ヌード寸法)ではなく服そのものの寸法なので、手持ちの服の実測値とそのまま比較できます。本記事の数値はすべて各商品ページ掲載のサイズデータベース(メーカー公式カタログ値・2026年7月整備)と同一で、製造上2〜3cm程度の個体差が生じる場合があります。
LとXLで迷ったらどちらにすべきですか?
まず型番のサイズ設計タイプを確認してください。細身系(L身幅51〜53cm)なら迷ったら上のサイズ、ワイド系(58cm〜)なら迷ったら下のサイズが失敗しにくい傾向です。価格面ではS〜XLは同額なので、XLまでの範囲ならサイズを上げても1枚あたりの金額は変わりません。
1回の注文でサイズを混ぜられますか?
混ぜられます。自動見積もりでS/M/L/XL/XXL/4L/5Lの枚数内訳をそのまま入力でき、全体の合計枚数(最小10枚〜)で数量価格が決まります。追加料金が付くのはXXL(+100円/枚)・4L(+150円/枚)・5L(+200円/枚)のみです。
掲載サイズ表にない大きいサイズはありますか?
展開幅は型番ごとに異なります。今回の67商品でサイズ数が最も多いのは4.4oz ドライメッシュTシャツ(00300-ACT)のキッズ100〜7L(18サイズ・7Lは身幅71cm。6L・7Lは一部カラー限定の場合あり)、大人用の最大実寸は4.4oz ドライ長袖Tシャツ(00304-ALT)の7L(身丈81×身幅82×肩幅72cm)で、半袖Tシャツに限れば4.1oz ドライアスレチックTシャツ(5900-01)の6XL(身幅77cm)です。一方でボックス系(00113-BCV・1108-01)はS〜XLの4サイズです。必要な最大サイズが決まっている場合は、各商品ページのサイズ表で展開範囲を先に確認してから型番を選んでください。
まとめ: 「L」は点ではなく、型番ごとの座標で読む
67商品のサイズ表を重ねてわかったのは、「L」という同じ名前の下に身幅51cmから63cmまでの別物が並んでいるという事実でした。サイズ選びで最後に信用できるのは、サイズの名前ではなく身幅の数字と手持ちの実測値の突き合わせです。当社では67商品の商品ページにサイズ表を掲載しているので、商品一覧から候補の型番を開き、この記事の照合手順で数字を1つ確かめてから枚数の集計に進んでください。名前で選ぶと12cm外れることがありますが、数字で選べば残るのはメーカー注記にある製造上の誤差(2〜3cm程度)だけです。