デザイン修正は"伝え方"で差が出る
オリジナルTシャツの制作過程で、デザイン修正のやりとりは避けて通れません。業者に的確に指示できるかで、仕上がり品質と作業時間が大きく変わります。修正指示の書き方とトラブル回避のコツを解説します。
修正指示の基本ルール
- 具体的に書く(「もう少し大きく」→「15%拡大」)
- 場所を明示する(「胸のロゴ」「背面右下」)
- 数値で示す(色指定・サイズ・位置)
- 言葉が伝わりづらければ参考画像を添付
良い修正指示の例
- 「胸ロゴを15%拡大し、位置を2cm下げてください」
- 「背面の黒を#1a1a1aに変更してください」
- 「タイトルのフォントを太くしてほしい(現状レギュラー→ボールド)」
- 「全体を10%左に移動してください」
悪い修正指示の例
- 「なんかかっこよくして」
- 「もうちょっといい感じに」
- 「色を変えて」(どの色をどう変えるか不明)
- 「位置がおかしい」(どこがどうおかしいか不明)
修正の回数と費用は、発注前に確認する
修正を何回まで無料で受けるか、どこから費用がかかるかは、業者ごとに決まりが違います。確認するときは「何回まで」だけで終わらせず、次の3点を聞いておくと、あとで食い違いが起きません。1つ目は、文字の打ち替えのような小さな直しと、デザインを作り直すような大きな変更を、同じ「1回」と数えるのか。2つ目は、追加費用がかかる場合の金額と、請求のタイミング。3つ目は、修正のやり取りをしている間に納期がどう動くのかです。
当社の場合、入稿データのサイズ調整・色味の微調整・背景の除去のような簡単な修正は無料で対応しています。大幅なデザイン変更は別途のご相談です。修正が多くなりそうな場合やデザインが複雑な場合は、完成イメージを作る前に見積金額の事前入金をお願いすることがあります。回数の上限や追加料金の有無は、ご注文前のデザイン相談(LINE)で確認してください。
その修正で見積もり額は変わる? — 30枚の実額
修正のなかには、直しても金額が変わらないものと、1回で見積もりの区分をまたいで単価が上がるものがあります。5.6ozのスタンダードTシャツ(00085-CVT)30枚に、普通色1色で胸ワンポイントを入れる仕様を起点に、よくある修正で自動見積もりの金額がどう動くかを並べました(税込。総額は東京都あての送料1,120円を含みます)。
| 修正の内容 | 見積もりの変化 | 1枚あたり | 30枚の総額 |
|---|---|---|---|
| 起点(胸ワンポイント・普通色1色) | — | 1,453円 | 44,710円 |
| 文字の打ち替え・位置の微調整・インクの色の差し替え(1色のまま) | 変わらない | 1,453円 | 44,710円 |
| 胸のロゴを縦横10cm超に拡大(ワンポイント→A4以内) | +300円/枚 | 1,753円 | 53,710円 |
| 背中にワンポイント(10cm以内)を追加 | +598円/枚 | 2,051円 | 62,650円 |
| 背中にA4以内の絵柄を追加 | +898円/枚 | 2,351円 | 71,650円 |
| 1色のロゴにグラデーションや写真を入れる(フルカラー) | +330円/枚 | 1,783円 | 54,610円 |
| 同じロゴを金銀ラメ(小粒)に変える | +220円/枚 | 1,673円 | 51,310円 |
| DTFで刷るデザインのボディを白から黒に変える(淡色→濃色) | +220円/枚 | 2,333円→2,553円 | 71,110円→77,710円 |
表のとおり、文字・位置・色(1色のまま)の直しは金額に影響しません。金額が動くのは、大きさが区分をまたぐとき(ワンポイントは縦横10cm以内、A4以内は210×297mm以内)、刷る場所が増えるとき、刷り方が変わるときの3つです。「もう少し大きく」の修正が10cmの境目を越えると、30枚では9,000円の差になります。修正指示を出す前に、その直しが区分をまたぐかどうかを確かめておきましょう。
修正依頼のタイミング
- ラフ画像: 全体の方向性を修正
- 清書: 細部の調整
- 校正画像: 最終チェック(ここでの変更は最小限に)
- 発注確定後: 修正不可
当社では、入稿データをもとに仕上がりのプレビュー画像を作ってLINEかメールでお送りし、OKをいただいてから製作に入ります。納期(標準5〜7営業日・特急3〜4営業日)はデザイン確定と決済が済んでから数え始め、修正や確認待ちの期間は数に入りません。つまり校了が1日遅れれば、発送も1日遅れます。使用日が迫って特急仕上げ(+500円/枚)に切り替えると、上の起点の仕様30枚では総額が44,710円から59,710円へ15,000円上がり、胸のロゴをA4以内に広げる修正(+9,000円)より大きな出費になります。修正は校正画像の段階まで持ち越さず、ラフの段階でまとめて出すのが、品質と予算の両方を守る近道です。
参考画像の上手な使い方
- スクショに赤い枠や矢印で指摘
- 他のデザインを参照画像として添付
- 色は RGB値または色見本サイトのURLで
- Before/After で違いを明示
色の指定は、画面の色だけで伝えると、刷り上がりとの差で修正がもう1往復増えがちです。シルクスクリーンで刷る場合、当社ではDIC・PANTONEの色番号での指定も受け付けているので、番号がわかる色は番号で伝えると確実です。
クラス・チームでの意見集約
- 修正指示は幹事1人から出す(業者側が混乱しない)
- クラス内で意見をまとめてから業者へ
- 投票機能で多数決を取る
- 細かい意見は幹事の判断で取捨選択
トラブル回避のルール
- やりとりは全てメールやLINEで記録
- 電話の内容も後でメールで要点確認
- 追加費用が発生する場合は事前見積もり
- 修正期限を明確にする
やめたほうがいい修正
- 最終校正後の大幅変更
- 業者の提案を無視した無理な要求
- 発注ギリギリの追加要素
- 複数人から別々の修正指示
スムーズに進める3つのコツ
- 1回目のデザインに時間をかけてもらう前に方向性を徹底
- 修正指示はまとめて出す(小刻みに出さない)
- 業者の専門的アドバイスに耳を傾ける